【おすすめWebマンガ】俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。(さかなこうじ) 〜 昔ながらのプオタに贈るすべらない話

2015040311

日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

さかなこうじ『俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。』 くらげバンチ連載

プロレスが再び脚光を浴びている。特に新日本プロレスの躍進はすさまじい。オカダカズチカや棚橋弘至、中邑真輔ら、新世代のスターが続々と誕生。このほか「スイーツ真壁」としてもすっかりおなじみとなった真壁刀義をはじめ、最近はバラエティ番組にも彼らレスラーが引っ張りだこである。会場では若年層や女性客の姿も増えて“プロレス女子”なんて言葉もできるほどだ。

だが一昔前までプロレス好きを公言するのはなんとなく憚られたものだ。かつての大衆娯楽も1980年代の後半にジャイアント馬場が一線を退き、アントニオ猪木に限界説が流れると、プロレス中継は徐々に視聴率が低下。時間帯の縮小や深夜枠への移行を余儀なくされた。このため一般の人が目にする機会が大幅に減り、マニアなものへと変貌を遂げてしまったからだ。

ただしそれから人気はすぐに落ちたわけではないのは意外と知られていないだろう。いやそれどころか格闘技ブームが来る前までの1990年代は、興行面ではむしろ濃いファン、いわゆるプオタによって大いに盛り上がっていた。新日本プロレスでは武藤敬司ら三銃士が台頭し、天龍源一郎が初参戦して数々の好カードを演出。全日本プロレスでは三沢光晴らによって四天王プロレスが誕生した。また女子プロレスでは夢のオールスター戦が開催されている。毎月のように武道館や横浜アリーナ、東京ドームなどの大箱を満員札止めにしていたのである。

この時代、プオタならいくらでも語ることがあったわけだが、インターネットが普及するのはまだ先の話。悲しいことに当時は語る人が周囲にはあまりいなかった。行き場のないプロレス愛を持て余し、盛り上がった時の全日会場のごとく地団駄を踏んでいた人はいるだろう。今回紹介するのはそんな中学生を主人公とする1993年を舞台にした物語だ。

はっきりって万人向けではない。クラスでも目立たない少女が実はプロレス好きであった、という“ボーイ・ミーツ・ガール”的なストーリーはあるにはある。だがそれを彩るのは猪木とマサ斉藤の巌流島の戦いとか、サイパン帰りの長州の体つきとか、一般人には皆目わからないだろう昭和プロレスネタだ。まさか現代にブロディやビガロが漫画のなかに登場するとは喜んでいいのだろうか。タイトル同様、誰が食いつくのかいささか心配になるところだ。

とはいえ逆に言えばこの手のネタについていけるなら確実に胸が熱くなる内容。いまだ「ヘイスタック・カルホーンは牛乳を毎日半ガロン飲む」なんて無駄な知識を蓄えている昔ながらのプオタなら刮目して読むべし!

 

『俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。』掲載情報

・作者:さかなこうじ
・掲載メディア:くらげバンチ

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