2015年春アニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』はどう見た?

TSU87_shinseikatu500

 

賛否両論!
『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』公開

2015年春深夜アニメもだいたい放送が一巡し、アニメ視聴体制も整ってきた昨今、ニコニコ動画にてTwitter小説『ニンジャスレイヤー』原作の『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』が公開されました。

この『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』、公開と同時に賛否両論の嵐が吹き荒れ、これぞニンジャスレイヤー!から、真面目に動かせ!まで両極端な意見が咲き乱れています。

ニコニコ動画ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン 第1話「ボーン・イン・レッド・ブラック」

この賛否両論のコントラストは、視聴者がニンジャスレイヤーのコンテンツとしての特殊性をどう捉えていたかが大きなカギになっているように感じます。

原作『ニンジャスレイヤー』は、ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズという外国人二人組が書いた小説を基に、原作の狂った日本観・ニンジャ観を強調した翻訳を翻訳チームが施し公開しているコンテンツ。

この二人の原作者もホントにいるの? と言われるくらい謎に包まれていることもあって、外人の見た“オカシイ日本観を戯画的に描き、その極端な強調を日本人が喜ぶ”という少々込み入った受け入れ方をされてきました。

その後、『アイエエエ!?』などの印象的なセリフそのものが面白いとしてファンが拡大。コンテンツの成立過程込みで楽しむファンから、忍殺!おもしれえ!というストレートな受容の仕方をするファンに広がっていった経緯があります。外人の見たオカシイ日本観を大げさに表現して楽しむという機微を共有している層をとくに「ニンジャヘッズ」などと呼ぶこともあるようです。

アニメ化するにあたって、この受容の文脈、つまり“外人から見た”エッセンスをどう活かすか、無視するかは製作陣にとって大きな課題になります。『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』とよく引き合いに出されるマンガ版『ニンジャスレイヤー』も、あえてアメコミ調の絵柄を選択することでギャップの面白さを描いています。

comicninja

マンガ版『ニンジャスレイヤー』

インフェルノコップ「地獄の刑事はやってくる」 EPISODE 01″The Badge from Hell”

アニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』も、基本的にアメリカ商業アニメの文脈にのっとった絵柄を採用し、演出面でも単調な切り返しを多用したり、画面転換のロゴの回転はトランスフォーマーのパロディだったりとアメリカ商業アニメの文脈に合わせた仕掛けを施しています。この手法は2013年に『ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン』と同じ制作スタジオTRIGGERによって制作された『インフェルノコップ』とほぼ同じ手法で作られています。『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』が気に入った人はインフェルノコップもどうぞ。なんか10話とかあるので……。

くどいほど反復する演出、不安を覚えるほど止めてみたり、昔のフラッシュアニメの手法でファミコンゲームのような画面を構成して無造作に敵の体をもぎ取ってみせることで原作の翻訳チームがほどこした大仰さ、極端さを表現しているというわけです。

この思い切った表現は広報でも新しいアニメーションが始まる! と宣伝する程度には徹底しており、特に文脈などを意識せずにアニメを楽しむ層には「手抜きじゃねぇの!」「もっと迫力ある画面を!」とアレルギーを起こす結果になり、ニンジャヘッズの中でも戸惑いの声が上がったりしました。が、ある程度はその結果は折込済みで、賛否両論になることで話題性も確保したいという目論見は成功とみていいのではないでしょうか。

文脈をおさえるのは“面白い”のか?

とまあ、ここまでは文脈をしっかり意識したユーザー客層のほうがエラい的な流れで書いてきましたが、必ずしも筆者はそうは思っていないということと、エラい/エラくないと面白さは割と関係ないとも思っています。