【おすすめWebマンガ】蝉の鳴く頃(Gino0808) 〜 叔父と姪のあまりにも切ないカンケイ、待つのは破滅か幸福か?

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日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

Gino0808『蝉の鳴く頃』 マンガボックス インディーズ連載

妹萌え。漫画やラノベではいまや珍しくもない。そうした属性を持つ人は多々いるだろう。しかし実の妹に萌える人は現実ではそうはいない。だって“俺のいもうとがこんなにかわいいわけがない”のだし、完全にファンタジーだと割り切って楽しんで場合がほとんどだろう。

だからといって近親者との恋愛はありえない。そう断ずるのは世間を知らないだけかもしれない。例えば心理学用語で「ジェネティック・セクシュアル・アトラクション」と呼ばれる現象がある。これは離れ離れになっていた親族が再会すると互いに恋愛感情を抱くという現象だ。似たもの夫婦という言葉があるように、人間は自分に似た遺伝子の人に自然と惹きつけられる。通常、幼少期の頃によく見た人物は対象からは外されるのだが、そうではないと兄妹や親子間でも魅力を感じてしまうらしい。なんとこうしたケースは決して珍しくないのだとか。ただし、その愛を貫いたからといって、幸せになれるかというのはまた別の話。今回紹介する『蝉の鳴く頃(Gino0808)は図らずもそうした関係になっていく叔父と姪の心情を細やかに描いた恋愛劇だ。

事故で亡くなった姉の一人娘である美加を、親族の反対を押し切って引き取ることにした高広。それから6年、美加は高校生へと成長し、派遣で働く高広とひとつ屋根の下で暮らしていた。傍から見るととても幸せそうな家族。そんな折、美加に好意を寄せる同級生、高広の元カノが登場したことから、2人の感情が微妙に動き始める。

いきなり新しい家族ができる。やったね、たえちゃん……じゃない。昔でいえばあだち充の『みゆき』や最近では『うさぎドロップ』風のよくある設定。だがそうした数ある作品群の中でも、本作は突出して切ないストーリーなのが魅力。社会通念上、好きではあるのに口に出せず。さらにお互いが相手を思いやる気持ちが強すぎて、自分だけが幸せになったらいけないと思っている高広と美加。理由は次第に明かされていくが、そのくだりがなんとも心が痛い。マジ泣ける話なのだ。

ともすればドロドロと昼ドラチックになりそうだが、上手くはないものの瑞々しいタッチが話に合っていて読後感が重すぎないのもよし。現在、物語はすでに佳境。ドイツじゃ許されてるらしいが、日本じゃ三親等以内は結婚できないよなー。そんな嫌な考えが頭をよぎるが幸せな結末を、願う。

『蝉の鳴く頃』掲載情報

・作者:Gino0808
・掲載メディア:マンガボックス インディーズ

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