最速100万ドルでギネス登録の『シェンムーIII』に出資してみた → お得だし、毎日が楽しくなった

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E3の開催が近づくと毎年のように、すわ『シェンムーIII』正式発表か!? というウワサが流れてくる。今年もそうだった。精巧なコラ画像、開発スタッフや発売時期の情報が流れてくるのも例年どおり。僕もまたその画像やウワサ話を見ながら軽く笑い飛ばしていた。

ところが、だ!

2015年6月16日、SCEAのプレス向けカンファレンス「PlayStation E3 EXPERIENCE 2015 Press Conference」で衝撃の時が訪れた。

会場が『ファイナルファンタジー7』のリメイク発表で興奮冷めやらぬ中、SCEAからクラウドファンディングサービス「KickStarter」でゲームの可能性を試したいと語られる。

SCEAがわざわざKickStarterを利用したゲームに言及? そこまでするゲームってなんだろう? こちとら『FF7』で十分に衝撃を受けているし、どうせ海外のインディーズゲームかなんか……と思った瞬間、聴こえてきたサウンドにまず耳を疑った。

『シェンムー』のメインテーマじゃないの!

そして鈴木裕氏、登場するじゃないの!!

『シェンムーIII』……言葉にならない……。

全世界1億人弱ぐらいのセガファンはこの瞬間、まちがいなく涙を流しただろう。

これは僕だけの話ではない。全世界のゲームファンがそうだった。

海外ゲームサイト「GameTrailer」の記者がE3の実況中、この映像に思わず興奮して、「いくらだ! 俺の財布全部持ってけ!」と叫ぶ映像は一躍有名になった。

開始直後、120万円を出資した強者も

さっそく『シェンムーIII』の開発規模を確かめるべく、KickStarterにアクセスしてみたけど、世界中のセガファンもしくはシェンムーファンが殺到しすぎて、サイトにつながらない。

およそ15分、リロードを繰り返しやっとKickStarterのサイトに接続成功。その時点で集まった金額には本当に驚くほかなかった

約2,000名の寄付者で約20万ドル(約2,400万円)。あまりにも現実的でない集金スピードに呆然とした。目標金額200万ドル(約2億4千万円)など通過点に過ぎない勢いだろう。

2015062303▲開始15分で20万ドル

……これは早く寄付しないと! と思い、急ぎクレジットカードを取り出した。そしてまた驚いた!

特典のことを考えるとできるかぎり高い金額を入れたいと考えるのはファンなら当然のこと。だからといって、1万ドル(約120万円)の高額投資プラン2種類のうちひとつがはやくも埋まっているとは! 豪気なファンがいたものである。ちなみにそのプランは、14年前のプレスイベントで芭月涼の声優、松風雅也氏が着用したジャケットが目玉特典。一点ものの超貴重なアイテムだ。

2015062308▲ファン垂涎の一点ものジャケット。そりゃ高い。その後、レプリカ版が特典となる3,000ドル(約36万円)プランも登場した。

もう一方の1万ドルプランの特典は、鈴木裕氏とのディナー権。ファンにとって鈴木氏は神のような存在なのだ。

で、僕は最終的に160ドル(2万円弱)のプランに決めた。

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このプランにはPC版パッケージ(もしくはPS4 / PCのダウンロード版)と体験版をプレイする権利が付いてくる。さらにオリジナルフィギュア、Tシャツ、デジタルアートブック、ゲーム内で使える投資者専用アイテムも入手できる豪華セットだ。しかも自分の名前がゲームクレジットに載る権利まで!(クレジット記載権利は100ドルプランでも)。

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とりあえず、投資金額も決まったし、あとは完成するのを待つばかり。出資募集開始から一ヶ月以内に目標金額200万ドルに到達しなければ案件自体が成立しないが、その心配はないだろう(そもそも案件不成立ならお金は引き落とされないし)。

KickStarter開始当初、一部のお祭り好きのセガファンが騒いでいるだけなのでは……と思う面もあったものの、結局10時間足らずで200万ドルを突破。KickStarterにおける100万ドル到達最短記録も樹立し、ギネスブックにまで登録されることとなってしまった。かつてセガの落日を招いたゲームとは思えない勢いだ。2015年6月22日現在では20日を残して350万ドル(約4億2千万円)を集めている。

シェンムーに関われることがシアワセ

ゲームひとつに2万円。普通なら豪華特典付きといわれても、やはり高すぎると感じざるを得ない値段だ。実際にそんな価格のゲームがショップに並んだら、よほどのことがない限り買わないだろう。

……けど、今回は違う!

ゲーム業界の歴史が(たぶん)塗り替えられる瞬間に参加できる。自分の名前をそのゲームに残せる。それを考えると2万円はそんなに惜しい金額ではない。

この体験は得難い。未完に終わったはずの『シェンムー』シリーズが再始動すること、その開発を出資者として支えられること、セガファンが消化しきれずに抱えてきた思いを解き放つ場ができたこと、そこに鈴木裕がいること! 完成は待ち遠しいけど、むしろそんな思いが渦巻くフェスに参加できること自体に価値があるように思えるのだ! お得なのだ!

……と『シェンムーIII』降臨に興奮して、なんだかフワフワと熱に浮かされたままKickStarterに銭を投じた僕だけど、『シェンムー』というゲーム自体への思い入れとなると、かつて週刊ファミ通で知った「キャラクターの生活パターンを把握して、階段下からパンチラを仰げば尊し」というテクを実現するために大変な努力を重ねた日々が思い出される。あのとき、いまで言う「オープンワールド」の可能性を感じた。

これからは開発過程がメールなどで知らされたり、出資者の意見がゲームに取り入れられたりと、完成に向けて共に歩む日々がはじまる。実際、『シェンムーIII』の開発チームから現在の状況について英文メールが日々届いていて、それを読むだけでもテンションが上がる。日々のいいカンフル剤だ。

2015062302▲毎日のように届いている開発チームからのメール

潰えたはずの『シェンムー』伝説。その悲劇をちょっとでも知る人はもちろん、第1・2章を遊んで憤りを感じた人も(むしろそういう人こそ)、このお祭りに参加すべきだと思う。

<参考リンク>
KickStarter|シェンムー3