【Web漫画】新世代作家のド直球セカイ系マンガ!? 『銀河は彼女ほどに』は一筋縄ではいかない宇宙級ラブコメ!

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日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

高木ユーナ『銀河は彼女ほどに』 マンガボックス連載

セカイ系って死語自体はあんま好きになれませんが、世界の破滅と美少女との悲恋が短絡するイカれた飛躍の気持ち良さや90年代っぽい終末論的なメランコリーには、時代を問わずオタを惹きつけずにはいない王道の面白さが詰まってますよね。鍵ゲーかオーケンフォロワーかという、いかにも一昔前のエロゲを彷彿とさせるようなヤバいブツはさすがに近頃少ないですが、よりにも「『最終兵器彼女』かよ!?」ってほどコテコテな漫画が最近マンガボックスに載ってたんですよお……!

姉は結婚、両親は海外出張(ベタ!)で一人暮らしの高校生・人(じん)はある朝、片思い相手のミステリアスな黒髪ロング美少女・大石阿智さんとバスで出会ってうっかりボディタッチ。したと思ったら何かにスパッと首をちょん切られ、たと思ったら次の瞬間には首が繋がっており……奇妙な体験に続いて彼は、「地球を滅ぼしに来た」という目的を彼女から明かされるのだった。

謎の尻尾で首を切り時間を操作したお次は、隕石を落として主人公宅を全壊さす阿智。すかさず「じゃあ同じ家で暮らそう」とドキドキ同棲生活を持ちかけられ、地球外生命体な彼女とのラブコメは最初からクライマックスすぎ! 彼女の正体は感情の起伏で惑星を作ったり消したりしちゃう造物主的存在で、阿智と惹かれあう主人公はさくっと地球の命運を左右する立場になってしまう。

コレ系の作品ってキミとボクの世界に閉じていくウェットなモノローグがもうベタつきすぎて「クドいわ!」と感じたりしますけど、本作は逆にキャラの感情の結節点をあえてぶち抜きの大ゴマと拡大フォントで半ば茶化して演出するような、不思議なドライさが特徴的。テストで百点取れなかったショックで隕石落として五千人殺した阿智に対して、主人公は「こいつマジで怖い」とゲロ吐いてマジ顔でドン引きします。Webコミックらしい直截的な乾いた描写とテキパキしたストーリー展開が、ジメジメしたセカイ系プロットと妙なハーモニーを奏でまくってるんですよね……。

「わぐっ…私」「良いずっ…」「なった…ら…ろ!?」など、ベタな語尾を作らず全般的に発語能力が不安定というキャラ付けの阿智は、伝統的な白痴的ヒロイン像からちょっとズラした感じが謎にクレバー。引っ掛かりがある台詞回しとコマ間の省略で抑揚をつけた、弛緩と無軌道を旨とする若々しいノリを突き放した風情で描く青春恋愛マンガとしては、『フリクリ』とかゴツボリュウジの作品を思い出すような読み味です。

作者さんは『進撃の巨人』でアシ経験があるらしく、画力の高さはお墨付き。古風なファウスト系ほどデロっとした方向にこじれてはいないものの、そういう系統のエッセンスが今風にカラッと調理された一作。90年代の亡霊でもいい、『エヴァ』みたいなの超大好き! という悲しい性を持つ方々はもちろん、そういうのに食傷して久しい方も読んでみる価値大アリですよ!

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『銀河は彼女ほどに』掲載情報

・作者:高木ユーナ
・掲載メディア:マンガボックス(毎週土曜日更新)

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