2015年にWEBマンガ配信はこうなる!? 昨年のニュース総まとめから見えるWEBマンガの未来

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2013年年末に「マンガボックス」が突如TVCMで登場。2014年はサービスイン3ヶ月で300万ダウンロードを達成し、「comico」もサービスイン59日で60万ダウンロードを達成したというニュースから幕が明けた印象でした。

2013年サービスインの「LINEマンガ」も1年3ヶ月で700万ダウンロード達成と、その勢いはスマートフォンアプリ界だけでなくマンガを愛読するユーザーの普段の行動をも一変させるパワーで2014年に大きく普及してきました。

これらのマンガ配信サービスは大きく電子書籍サービスの枠内で語られることが多いですが、今回は無料マンガ配信サービスとしてkindleなどと分けて考えていきたいと思います。2014年にもっとも伸びたWebサービスの一つとして大きく扱いたかったのもありますが、マネタイズなどの考え方が狭義の電子書籍のものとは異なっていると考えるからです。

ちなみに、筆者久保内がまとめた2014年ニュースまとめは現在、

  1. 【今年の牛丼ニュースまとめ】デフレ国民食『牛丼』から観る2014年の日本のお財布事情
  2. 【今年の電子書籍ニュースまとめ前編】kindle vs 有象無象の中で市場はどうなっていくのか
  3. 【今年の電子書籍ニュースまとめ後編】kindle vs 有象無象の中で市場はどうなっていくのか2

とありますので、狭義の電子書籍のまとめについては上記を御覧ください。

売上激減にあえいでいたマンガ市場の救世主になれるか? 無料マンガ配信サービスの躍進!

 出版業界のヤバさ2014

出版業界では現在、消費税8%へ増税のあと減少した売上が戻らない! と、どこも悲鳴を上げていますが、2000年に2兆4000億円程度あった出版物売上が、2013年には1兆7000億円、2014年にはさらに1000億円強下落しそうというヤバい情勢です。

そもそも、空き時間には、スマホでニュースを見たりゲームしたりで忙しく、ちょっと本屋寄っていくかという行動パターン自体が激減している印象です。神保町のキッチン南海などの編集者御用達の昼飯屋でも手に持ってるのは文庫じゃなくてスマホですからね……。皮膚感覚でヤバい感じです。

そんななか、売上比内の相対シェアを上げていたのがコミックと文庫、児童書あたり。しかし、出版売上でみると、コミックの売上も漸減しています。2013年には、マンガ雑誌とコミックの総販売部数が共に5億部割れをしました。

救世主になるか? コミックの電子書籍売上1000億円突破

そんな苦戦の出版業界及びコミック売上ですが、2014年6月に『電子出版市場1000億円突破 13年度、コミックがけん引 』のニュースが業界を沸かせました。とはいえ、減少分の補填ができる規模ではないですけどね。

インプレスR&D「電子書籍ビジネス調査報告書』の予測によると、電子出版の売上は2014年は1400億円ちょっと、2015年は2000億円に達するとされています。大体そのうち8割〜9割がマンガの売上になるという予測です。

ホント実用書とか新書なんかはどこに行くんでしょうね……。書けば書くほど貧乏になりますからね(実感からの叫び)。

気を取り直して電子書籍市場と出版業界の概況を2014年までざっくりまとめると出版業界の売上減少は毎年7〜8%の勢いでガンガン下がっていて、電子書籍市場はここ数年毎年20%〜30%の成長を遂げるが、電子書籍の売上では出版業界の売上減少を埋めるには至らない。という予測が見えてきます。あーえーっと音楽業界と一緒ですね!

そのなかで集客効果が単体で見込めて、電子書籍の売上で出版売上の減少を埋めてもちょっと余力を残す可能性がありそうなのがマンガです。現在、コミック雑誌の年間売上はざっくり1500億円、単行本は2200億円くらいのはずですから、2017年頃には電子版コミックの売上が紙の出版と拮抗すると予想されているわけです(マンガ雑誌は基本赤字なので省きます)。

要するにこれまでの出版で抱えてきたコンテンツの中で商売として伸びる余地があり集客力があるのがマンガくらいという結論が出てしまっているわけですね。あとはちっこく文庫とか小説家になろうとか……。このパイをいかに確保し伸ばすかで、現在インターネット業界系と出版業界系の各種WEBマンガサービスがしのぎを削っている状態です。

2014年初頭にはまずはインターネット業界系の『comico』や『マンガボックス』、『LINEマンガ』が大きく数百万オーダーでユーザーを増やしました。それに遅れることざっくり一年、『少年ジャンプ+』や『マガジン』各誌の大物が現れたというのが大雑把な見取り図です。詳細に書くと『マンガボックス』は講談社マガジン系のパワーがかなり入っている関係だったりしますが。

もちろん、kindleや各種電子書籍プラットフォームの主力も現在マンガで、販売額も増やしています。しかし、あえてWEBマンガ配信サービスに注目する理由があります。特徴的なのは『マンガボックス』以降、アプリ形式でユーザーを囲い込み、その中で連載を読ませ、商売していきたいというビジネスモデルを各社採用している点です。

これは大量のライブラリの中にリリースして、「買ってから読む」スタイルでなく、アプリの中でユーザーを囲い込んで「読んでから買う」スタイルの提案で、従来のマンガ雑誌を踏襲した形でもあり、これからのスマートフォンシフトの必然でもあると感じられます。狭義の電子書籍とWEBマンガの潮流を分けて考えることにしたのはこの違いが大きいです。

これらの大手WEBサービスのマネタイズとしては、大きく2つになっています。

  • 連載を読んでもらって紙の書籍を買ってもらう(雑誌の肩代わり)
  • 連載を読んでもらって電子書籍を買ってもらう(電子書籍ストア)

うーん、マネタイズの段になると急に旧来型のままになりますね。特に紙の書籍は年々減少していくことは確定ですから、紙のコミックで回収していこうというのは将来的によろしくなさそうです。

もちろん、WEBマンガ配信サービスの現場ではこの旧来型にとどまらないビジネスモデルを2014年半ばから模索していっています。次ページではその辺りをざっと追っていきたいと思います。