【コラム】日本アニメの遺伝子が生き残るチャンスは? Netflixの実力と制作側のメリットを考える

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ネットでアニメを見る習慣もだいぶ定着してきた昨今だが、なかでも定額動画配信サービスに要注目。世界で5,700万人のユーザーを抱えるNetflixが日本に上陸したいまこそ、主要なサービスをおさらいしておこう。

アニメ見放題! 国内の主な定額動画配信サイト

■ Netflix 月額702円〜(HDは1,026円)
世界5,700万人の会員数を誇る黒船が襲来!

■ Hulu 月額980円
日テレ傘下で『アンパンマン』も配信中。

■ dアニメストア 月額432円
とにかく激安! 会員数は国内最大規模。

■ バンダイチャンネル 月額1,080円
作品のラインナップはマニアも納得!

定額動画配信の黒船来航

ここ数年で、定額動画配信サービスが急速に充実してきている。今年9月には「Netflix」がついに日本上陸。北米の最大手で、超ド級の黒船だ。9月2日にスタートするはずが、予定を繰り上げて一日前倒しされた一件は、「ホントに本気なの?」と疑われていた前評判をひっくり返すインパクトだった。

ネット動画配信の後進国だったはずの日本も、いまやすっかり戦国時代。2011年に「Hulu」が月額1,480円で日本上陸して、翌年の980円に値下げしたあたりから加速した印象がある。その数カ月後にドコモが「dビデオ」(現在はdTV)をスタートし、月500円の低価格を武器にして会員数を伸ばしていった。2014年にはキャリアフリー、つまりドコモ回線以外にもサービスを開放して会員数は440万人以上となり、国内ではトップシェアを誇っている。

Netflixの実力をチェック

ただし、動画配信サービスに大事なのは会員数よりもコンテンツが充実していること(と、使いやすいこと)。くだんのNetflixはどうよ? と試してみたが、海外ドラマ天国ですよ! Huluでは配信が延び延びになってた『ARROW』シーズン2があるわ、マーベルヒーローの『デアデビル』はあるわ。二カ国後の対応もバッチリで、視聴中に吹き替えと字幕の切り替えまで……。アニメのラインナップも頑張っていて、『魔法少女まどか☆マギカ』や『キルラキル』などヒット作・話題作がズラリ。しかもHD(720P)の高画質だ。フルHD画質(1080P)の『イノセンス』も嬉しくて、あの情報量の塊みたいなコンビニ銃撃戦が味わい尽くせる!

でも、「今のテレビアニメ」を楽しむ上では、Huluが一歩リードだ。親会社である日本テレビ系列のアニメを網羅しているだけでなく、フジテレビのノイタミナ作品も配信してるのだから。

国内勢も負けてない!

NetflixとHuluに加えて、国内のアニメ専門(特撮も含む)サービスもチェックしておきたい。

「バンダイチャンネル」は2002年生まれの老舗で、『ガンダム』をはじめサンライズ作品にも強い。が、月額1,080円は今では高めだし、有料会員でも別料金となるシリーズが少なくない。画質についてはHD配信が多くて、PCや専用アプリを使って自宅の大型テレビで鑑賞しやすい。目当ての作品があって、ぜいたくに楽しみたい上級者向けサービスだ。

携帯電話の大手キャリアが提供しているアニメ配信サービスも侮れない。先行したドコモの「dアニメストア」を追いかけてauの「アニメパス」やソフトバンクの「アニメ放題」も参戦して、月額432円の横並びとなっている。

この中では、今のところdアニメストア一択という感じ。見放題アニメの本数が多い上に、dTVと同じくキャリアフリーで誰でも利用できる。それにダウンロード機能、つまり高速回線の自宅でスマホに保存し、外に持ち出せるのもデカい。アニメパスはダウンロードがなく、通信データ量の制限が厳しいスマホ環境では手痛い減点になる。

アニメ放題はダウンロード機能はあるものの、ソフトバンクの契約者しか使えない。以前は『CLANNAD』や『Angel Beats!』などKey作品がここだけで見られる強みがあったが、この9月からdアニメストアがどちらも配信を始めたおかげでチャラだ。

まとめると、バンダイチャンネルはマニア向け、深夜アニメならHuluで劇場版の高画質アニメはNetflix、安さならdアニメストアといったところ。それぞれ無料のお試し期間があるので、自分に合ったものを選べばいい。スマホで見るか家で見るか、視聴環境も人によって違うので、「これが最高」ってのはいまのところないんですよね。

アニメ制作への影響も?

では配信されるアニメを制作する側にとってのメリットは? それは、海外に新たな可能性を見いだせること。たとえば、Netflixは世界で5,700万人が利用している! 国内サービスに先駆けて『シドニアの騎士』がNetflixで配信されたのも、世界市場を狙ったからだ。

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そしてNetflixは競合サービスとの差別化を図ろうと、オリジナル番組まで制作している(『デアデビル』もその1つ)。ならば国内でやっていけないアニメ制作会社が丸ごと、国際的なネット配信に引き抜かれるかも? 日本のアニメの遺伝子が生き残るチャンスが増えるならば、それは嬉しいことだ。

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