【なつエロ★少年マンガ】男子を“尻派”に変えた桂正和『電影少女』と神回の思い出を語る

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少年時代、愛読マンガ誌の中に「小さなエロ」を見つけてドキドキしたこと、ありますよね!

少年誌という枠の中で作者がギリギリ限界でサービスしてくれたせいだったり、図らずもフェチズム的な目覚めを呼び覚ましてしまった自分のせいだったりと、ドキドキした理由はいろいろあるんじゃないかと思います。

そんな少年マンガに感じたエロ=「なつエロ」について“なつエロリスト”たちが語る本コラム、今回は桂正和先生が週刊少年ジャンプで連載した『電影少女』をピックアップ! なつエロリストは「カフェオレ・ライター」の山田井ユウキ氏です!!

芸術的曲線美……そして少年は”尻派”になった

桂正和『電影少女』
週刊少年ジャンプ●1989年51号〜1992年18号(あい編)

現在30代の男性にとって、エロといえば避けて通れない作品が『電影少女』。1989年から92年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた恋愛漫画で、リアルな絵柄で描かれる女性の体がとにかくなまめかしい作品です。もちろん少年誌なので直接的な性描写はないのですが、ぎりぎりのところまで踏み込んでいたため、PTAで問題視されるほどでした。

特に誰もが認めるのが、女の子の尻のリアリティ。桂正和先生がその高い画力を惜しみなく発揮して描く曲線の美しさは、もはや芸術的ですらあります。男同士の居酒屋トークでは「胸派か尻派か」というクソどうでもいい話題が頻繁に出てくるのですが、このとき「尻派」と答えた30代男性の8割の原体験には、間違いなく「電影少女」があるはずです。


2015112008▲張りのあるお尻に少年の中で何かが目覚めたのです! 気になる方はパンツ脱ぐためにまるまる1ページを使ったこのシーンなどをチェックしてみてください。(第3巻182ページより引用)

当然のことながら、僕も小学生時代、この『電影少女』が気になって仕方ありませんでした。……”気になる”という微妙な表現になったのは、自宅で読めなかったからです。なぜなら、我が家では『電影少女』は子どもに悪影響のあるエロ本として見なされており、単行本もジャンプも買うことが許されなかったのです。兄がいればまた違ったのかもしれませんが、残念なことに僕は長男だったんですよね……。でも、そういう家庭は多かったんじゃないかな。

じゃあ、どうやって『電影少女』を読むかというと、友だちが学校に持ってくるジャンプの回し読みしかないわけです。これなら親の目は関係ありませんからね。……ところが、ここでもうひとつ問題がありまして、僕は当時、エロい漫画を読まない硬派なキャラで通してしまっていたんですね。

今思うと、我ながら、なんでそんなキャラ作りをしてしまったのかさっぱりわからないのですが、たぶん「エロいことに興味がある」ことが恥ずかしかったんでしょうね。そんなわけで、ジャンプの回し読みをしていても、友だちと一緒だと『電影少女』は読めないので、友だちがトイレに行った隙に猛烈なスピードで読み込み、すべてのページを脳に焼き付けて、後でゆっくり再生するというテクニカルな特技を発揮していました。むしろ僕自身が電影少女(ビデオガール)ならぬ、ビデオボーイでしたね。

そんなわけで、エロいシーンだけははっきり覚えているものの、ストーリーのほうがあやふやだったので、今回改めてぜんぶ読みなおしてみたんですよ。そうしたら、クッソ面白いの。エロいとかエロくないとか以前に、漫画としてめちゃくちゃ面白いの。そりゃあ時代背景やキャラのファッションなんかは多少古さはあるけど、リアリティあふれる心理描写や、展開の読めないジェットコースターのようなストーリーなど、最近の恋愛漫画が束になってかかっても勝てないレベル。

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