【なつエロ★少年マンガ】元祖・鬼畜王がジャンプを蹂躙! 『BASTARD!!』の青少年への影響について

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少年時代、愛読マンガ誌の中に「小さなエロ」を見つけてドキドキしたこと、ありますよね!

少年誌という枠の中で作者がギリギリ限界でサービスしてくれたせいだったり、図らずもフェチズム的な目覚めを呼び覚ましてしまった自分のせいだったりと、ドキドキした理由はいろいろあるんじゃないかと思います。

そんな少年マンガに感じたエロ=「なつエロ」について“なつエロリスト”たちが語る本コラム、今回は海月一彦氏が、萩原一至先生の『BASTARD!! ―暗黒の破壊神―』を語ります!

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少年誌を蹂躙した鬼畜王!

萩原一至『BASTARD!! ―暗黒の破壊神―』
週刊少年ジャンプ●1988年14号(読み切りは1987年47号)〜

『BASTARD!! ―暗黒の破壊神―』は週刊少年ジャンプで1987年に第1話にあたる読み切りが掲載され、1988年に連載が始まった。

『ファイブスター物語』や『魍魎戦記MADARA』がアニメ誌やゲーム誌の白黒ページの埋め草的な扱いだった当時、「ジャンプ」という大舞台に『D&D』や『ウィザードリィ』を踏まえた“剣と魔法のファンタジー”が掲載されたこと自体、衝撃的な出来事だった。それが累計3千万部の大ヒット作となったのである。

日本では超絶マニアックなジャンルだったファンタジーの市場を開拓した功績は大きい。本作が無ければ『ベルセルク』が人気を得るのは難しかっただろうし、少年誌に『鋼の錬金術師』や『七つの大罪』が載るような枠はなかったかもしれない。それだけ『BASTARD!!』はエポックメイキングな作品なのだ。

さて、いきなり結論めいたことから書いてしまったのは、本作の内容を紹介しようにも、ストーリーが壮大すぎてほとんど破綻しているため説明のしようがないからだ。主人公はかつて世界征服を目指して大戦争を起こした魔人ダーク・シュナイダー(D・S)。先の大戦に敗れ、無垢な少年ルーシェの中に封印されていたが、暗黒神の復活を目論む闇の軍団に対抗するため神官の娘ヨーコの口づけによって15年ぶりに封印を解かれる。

元祖・鬼畜王!

D・Sは圧倒的な魔力を持っており、性格も残忍でおまけにとんでもない女好き。この性格そのままに、「ド派手な魔法の打ち合い」と「女キャラとのH描写」が本作の魅力である。

世界征服&ハーレム建設という少年マンガ誌の主人公にあるまじき野望を持つD・Sは、メインヒロインであるはずのヨーコに縛られることなく、女性キャラを次々と毒牙にかけていく。清楚なシーラ姫に対してセクハラを繰り返したあげく、罠にかかったのをいいことに「毒を吸い出してくれ」と要求。傷口から毒を吸い出すシーラ姫は、まるで“お口でご奉仕”しているかのように描かれる。

さらに、連載序盤で登場するシーン・ハリとカイ・ハーンのエピソードは外せない。色仕掛けで暗殺を目論む女魔導士シーンをD・Sはベッドの上で(性的に)返り討ちにし、甘い言葉で籠絡してしまう。「みみたぶをかんだだけ」というエクスキューズ付きではあるが、絶頂に達するシーンの表情は「ジャンプ」に掲載されたとは思えないほどのエロさだった。

2015112964▲D・Sに手籠めにされるシーン・ハリ。耳たぶをかんだだけ、らしい(第2巻193ページより)

次に襲いかかってきた魔法剣士カイに対しては、倒した後に毒を吸い出すという名目で裸にした上でじっくり陵辱する。1990年に起きる児童向けポルノ追放運動の直前だったため、乳首もしっかり描かれたカラミはほとんどエロマンガ並みの実用性を備えていた。

筆者も含めシーン・ハリとカイ・ハーンに“お世話になった”中高生は多い(ちなみに本作の完全版が刊行された際に、シーラ姫のおしゃぶりとカイ・ハーンの解毒Hも“完全版”が作られ、作者自身による同人誌として刊行されている)。

『BASTARD!!』が提示した「ファンタジー+エロ」というジャンルは、美少女ゲームの世界で大きな発展をとげる。

ともに1989年に発売された『ランス』と『ドラゴンナイト』は、ゲームとして楽しめるエロゲーとして90年代を代表する人気シリーズだ。どちらもファンタジーとして作り込まれた世界観で、圧倒的に強くて女好きの主人公が、ハーレム的に次々と女性キャラを攻略していくという作品である。

当時、未成年だった筆者の貴重なエロ情報源だったパソコン雑誌のアダルトゲーム紹介コーナー(袋とじ!)でこれらのゲームを見た第一印象は「『BASTARD!!』みたいなエロゲーだな」であった。それ以前の『天使たちの午後』のような官能小説風のエロゲーよりも、『ランス』や『ドラゴンナイト』のほうが魅力的に感じたことは言うまでもない。

D・Sこそ元祖・鬼畜王であり、90年代エロゲーの原点なのである。

冨樫義博の所業はすべて萩原が先取りしていた!