【Web漫画】『鈴木先生』作者の伝奇ホラー! 『惨殺半島赤目村』は横溝正史かと思ったらぶっ飛びB級スプラッタだったよ……!?

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日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

武富健治『惨殺半島赤目村』 コミック アース・スター連載

現在多くの作品が休載中のコミックアース・スターですが、最近は『ヤマノススメ』『マジカルシェフ少女しずる』などの過去作を毎日更新で無料公開しております。その配信ラインナップのひとつが『鈴木先生』で知られる武富健治の『惨殺半島赤目村』。これが結構スゴいことになってる漫画でして……

青年医師・三沢は、都会に疲れて陸の孤島「赤目村」に赴任するが、その田舎村は一筋縄でいかない雰囲気。リゾート開発を進める村長派と昔ながらの素朴な生活を求める青年団の対立、そのアオリを食らった三沢への医者イジメ、謎めいた神社の娘、村を守る赤目姫と少彦名命の伝承、村八分を受けている様子の兄妹……そんな中、村の少女が崖から転落し、少年が一人行方不明になるという事件が起きる。ところが奇妙なことに、村人たちは事件を事故と片付けて内密に揉み消そうとする。

上小阿仁村の医者イジメや山形郊外の高層ビル・スカイタワー 41などの小ネタを挟みつつも、導入は金田一映画のような伝奇ミステリ。因習の残る閉鎖的な村落、田舎特有の湿って入り組んだ人間関係、土俗信仰と独特の風習など、ジャンルの基本を忠実に押さえて設定もガチガチに作り込んでおり、台詞量も膨大。多くの謎と布石を打って、本格的なミステリの気配を漂わせます。

三沢が封印していた霊能力で村の秘密を探り始めると、アル中の村八分親子が不審火で焼死、村長は観覧車に縛り付けられて腹が裂けモツをばら撒いて死に、嫌疑をかけられた三沢は座敷牢に閉じ込められて下痢便してる最中に全身殴打。このあたりで一気に裏の顔を現した村人達に三沢は裏切られ翻弄され、推理ものよりかは猟奇ホラーの色が濃くなっていきます。

村の大祭に至ってエログロ趣味が大暴走。村で栽培する薬草が全部麻薬で祭りのお神酒は超猛毒、子供連中が血を吐いて倒れ大婆様が頭を潰され凶暴化した若衆が殺し合い首は飛ぶ肉は千切れる、炎が燃え盛る中ロリコン教師が巫女さんを犯して一物を切り取られるの大騒ぎ。元々顔芸気味だった異様に濃い絵柄が劇画チックを超えて漫☆画太郎みたいな勢いになってます。

ご神宝(ディルド)をチョンマゲにして女の生首ぶら下げた全身包帯のロリコン教師が火山弾で両脚を飛ばされて死にかけたまま村八分の少女を手籠めにしていた真相を語り、その女の子がガンギマリの顔に豹変して教師を庇ったと思ったら火山弾で腹をぶち抜かれて血を吐きながら谷底に落ちていくシーンなんかは必見。ラスボス戦で三沢と巫女さんが手を繋いで予知能力に覚醒して能力バトルを繰り広げるのもスゴいです。

田舎の暗部ってのはゲスな野次馬根性をよく煽る題材だけど、ここまでヒドすぎる村は見たことがないというほど真相は予想を上回るハチャメチャぶり。ミステリと見せかけてお馬鹿スプラッタホラーに暴走していく展開は、一見勢いだけのように見えてガチガチに因果関係と理屈を組んでおり、昭和の邦画のオッサン臭さや下品なエロを復権したいという目的があっての計画的犯行とのこと。やりたいこと全部詰め込んだ結果色々な意味で爆発オチを迎える爽快感は『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』を思い出しました。

絶望の犯島』も終盤スゲエ勢いの名作でしたし、猥雑なオジサン的センスも今風のフォーマットの中で巧みに計算して発揮されるとスゴいことになるようです。毎日更新でいよいよヤバいところに差し掛かってるので、ぜひ一気読みを!

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『惨殺半島赤目村』掲載情報

・作者:武富健治
・掲載メディア:コミック アース・スター

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