【なつエロ★少年マンガ】村上といっしょに脱童貞(気分)! 『東京大学物語』伝説の神エロ回を思い返す

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少年時代、愛読マンガ誌の中に「小さなエロ」を見つけてドキドキしたこと、ありますよね!

少年誌という枠の中で作者がギリギリ限界でサービスしてくれたせいだったり、図らずもフェチズム的な目覚めを呼び覚ましてしまった自分のせいだったりと、ドキドキした理由はいろいろあるんじゃないかと思います。

そんな少年マンガに感じたエロ=「なつエロ」について“なつエロリスト”たちが語る本コラム、今回はカフェオレ・ライターの山田井ユウキ氏が江川達也先生が週刊ビッグコミックスピリッツで連載した『東京大学物語』について語ります!

「これ、受験マンガだから!」(言い訳)

江川達也『東京大学物語』
週刊ビッグコミックスピリッツ●1993年1号~2001年6号

日本のトップ学生が集うエリート大学の名をタイトルに冠した『東京大学物語』。1993年から8年間、週刊ビッグコミックスピリッツで連載された作品で、作者の江川達也は週刊少年ジャンプで連載していた『まじかる☆タルるートくん』などで知られるヒットメーカーです。

タイトルだけ聞くと『ドラゴン桜』のような受験マンガを想像してしまいますが、ぜんぜん違います。……あ、もしかしてこのコラム的には『ドラゴン桜』に欲情していたほうが面白かったのでしょうか。すみません、それはさすがにレベルが高すぎました。もっとがんばります。

とにかく『東京大学物語』は受験マンガではありません。中期までがギャグ&エロマンガ、後期はなんだかよくわからないマンガでしょうか。「なんだかよくわからない」ってどういうことだよとつっこまれそうですが、だって本当によくわからない展開になっていくのだから仕方ありません。読んだ方ならこの感想に共感してくれるはずです。

妄想と顔芸と

物語の主人公は東京大学を目指している高校生の村上直樹。知能指数300の天才でサッカーが得意、しかもイケメンという、一見すると非の打ち所が無い男。しかし一方、人よりもはるかに性欲が強く、妄想癖があり、プライドがめちゃくちゃ高いという、見ている分には面白いんだけど、正直あまり友達にはしたくないタイプです。

そんな村上くんの前に同級生の水野遥ちゃんが現れます。巨乳で天然ボケな彼女に、村上くんは一目惚れ。村上くんが告白したことで二人の交際が始まるのでした。……と、これだけならラブコメです。でも、せっかく青年誌に移った江川達也がそんなぬるい恋愛物にするわけがありません。

初期の『東京大学物語』は遥ちゃんのあんな姿やこんな姿を想像しながらオナニーに励む村上くんの妄想と顔芸を楽しむギャグマンガとして展開していくのでした。

さて、ここで当時の我が家の話をさせてください。僕の家は両親が堅い職業ということもあってか、かなり厳しく、教育熱心でした。マンガやテレビは健全なものしか許されず、テレビゲームは禁止されていました。そんな両親がなぜ『東京大学物語』を許してくれたのか、もうおわかりですよね。

そう、両親は『東京大学物語』を、そのタイトルから(教育に役立つ)受験マンガだと勝手に思い込んでいたんですね!

これが僕にはラッキーでした。中学に上がったばかりの僕は、親に「受験マンガだから」と言い訳しながら、唯一読めるエロマンガとして本作をとても楽しんでいたのです。あ、でも嘘じゃないですよ!

「主人公が受験するマンガ」であることは間違いではないわけですから! 「自分の受験に役立つマンガ」ではないだけで! 

ま、でもその数年後にはエロ度を増した『東京大学物語』の表紙と「処女」っていうサブタイトルでバレちゃったんですけどね!

伝説のエロシーン

東大入試日が近づくにつれてエロ度がどんどん上がってくる本作。ついには村上が脱童貞を果たすシーンが訪れてしまうのですが……ここが『東京大学物語』のファン的に神回として崇められているだけあり、もうむちゃくちゃエロいんですよ。

僕も大人になるまでの間にいろいろなエロマンガを読みましたけど、未だにこの回を超えるエロシーンはないと断言できます

なんていうか、それまで童貞だった村上くんがずっと溜めてきた妄想とか、セックスのチャンスを逃し続けてきたことに対するフラストレーションとか、そういうもの全部ひっくるめて一気に解放されたのがこの場面だったのですよ。あと、相手が遥ちゃんではなく、受験に失敗して気落ちしている同級生っていうのがまた生々しくてよかったです。

2016011515▲東大受験前夜、村上は同級生の鈴木英里のこの一言で崩壊する(第6巻/35ページより引用)

何だったら、読んでる僕も村上くんと一緒に脱童貞した気になりましたからね。

この伝説のシーン以降、エロスのバイブルとして色々な意味で役立ってくれた『東京大学物語』ですが、実は大人になってから、江川達也さん本人とお話する機会がありまして、そのときに自分にとっていかにこの作品がすばらしいものだったかを伝えようとしたんですね。

でも、いくらなんでも「エロいからよかった」っていう感想もどうかと思って、ちょっと控えめに「僕の青春のバイブルでした!」と言ってみたのです。すると、江川さん、じっと僕を見て一言。

「エロ本のバイブルだろ?」

うっ……! さすが、江川御大、すべてお見通しだったのでありました。

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