【Web漫画】アクティヴレイドの谷口悟朗監督手がけるSF! 『ĀTRAIL‐ニセカヰ的日常と殲滅エレメント‐』の先が読めなさすぎる……

20160123manga

日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

原作:谷口悟朗 漫画:樋口彰彦『ĀTRAIL‐ニセカヰ的日常と殲滅エレメント‐』 ニコニコエース連載

『プラネテス』『コードギアス』シリーズなどで知られ、テレビアニメ監督の中でもファンが多い谷口悟朗監督。今年1月からは最新作『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』も放送中ですが、最近になって漫画原作のほうにも活躍の場を広げているんですよ!

平凡な日常を愛する男子高校生・四十万伊織。彼の前に突如現れたのは、巨大な宇宙船団、彼の護衛者を名乗る少女ファイ、そして謎の超越存在「アートレイル」だった。あらゆる事象を操作するアートレイルに唯一アクセス可能な伊織を巡り、謎の組織「イノベーション」と「レジーム」が動き出す。人々は口々に言う、「設定された日々」の「最終回」が訪れたと――。

舞台は謎の超越存在に1/3を滅ぼされた地球。平凡な主人公は実は人類の命運を左右する存在で、彼だけが真相を知らされず、平和な世界は演じられたものに過ぎなかった……というツカミはSFアニメの王道だけど、そこから外世界に出てロボットに乗ってバトルしたりするのでなく、あえて箱庭に留まり続けるというのが本作のポイント。

ガチガチに将来の人生設計を固めて「普通の日常」に執着する主人公・伊織は、『終わりのセラフ』みたいな黒軍服着たイケメンに突然「兄さん!」とか呼ばれても知らぬ存ぜぬ、非日常としての真実を拒絶して偽りの日常の継続を望み、赤の他人と判明した母親や、謎の組織の人間たちと不思議な同居生活を始めることに。

まだまだ謎が多いものの、今現在やっていることは「何か知らんが萌えアニメをモニターしながらゼーレが深刻な顔して会議室で喋ってる」的な、日常もの文法とSFアニメ文法を合体させて緊張感を生んだ会話劇。「アニメ向きというよりは舞台向きのアイデア」という原作者コメントのとおり、ジャンル的アニメのお約束を組み合わせて小劇場演劇かこじれ気味なライトノベルみたように、「設定」「最終回」といった語を強調するメタフィクショナルな雰囲気を押したSF作品となっております。

読者はニセカヰ的日常よりもニセコイ的日常を望んでいるのでは?」なんて言っちゃオシマイだけど、例えば『純潔のマリア』を西欧中世の時代描写てんこ盛りにアレンジしたり、プロデュース作『ファンタジスタドール』のノベライズでピュグマリオニズムを深掘りしたり……王道ポリスアクションの『アクティヴレイド』とは一味違い、そうした谷口監督の生真面目かつ尖ったほうのセンスが剥き出しになったような漫画です。

今のところ分かりやすく「ココが見どころ!」と言えるのは、主人公の母親が可愛くてほぼヒロイン張ってることぐらい。売れる要素を排除してるような、そういうヘンな部分でキャッチーさや裏返しの悪意を出そうとしてるような、大変不思議なバランス感覚にハラハラできる意欲作。監督のファンはもちろん、先が読めなさすぎる不思議な漫画を求める方は必読ですよ!

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『ĀTRAIL‐ニセカヰ的日常と殲滅エレメント‐』掲載情報

・作者:谷口悟朗(原作)、樋口彰彦(漫画)
・掲載メディア:ComicWalkerニコニコエース

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