【Web漫画】幻想文学ばりの奇想と耽美! 鳩山郁子『寝台鳩舎』が読み応えアリなダークファンタジーで面白いぞ

20160125manga

日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

鳩山郁子『寝台鳩舎』 ぽこぽこ連載

稲垣足穂などをご先祖様に、鉱物、天体、少年愛などの耽美的なモチーフを描く幻想小説作家といえば長野まゆみ。24年組とかの古い少女漫画あたりとセットで、やや年季の入った女性読者にファンが多い作家さんです。独自の世界観が光るこの作家としかし相当近い感性の作風で、やはりその方面に支持が厚い漫画家さんが鳩山郁子。その最新作がぽこぽこにて掲載中です!

主人公は列車の旅の途上にある少年ダヴィー。彼が最後尾の車両に入ると、そこは静まり返った寝台車両だった。ところが寝台の帳の奥には瀕死の青年たちが息絶え絶えに倒れ伏し、「信書をマスターに届けてほしい」とダヴィーに縋り付くのだった……

彼らの正体は戦時下の情報伝達に利用された軍用伝書鳩・移動鳩。「常に移動するねぐらへの帰巣本能」という特殊な観念に従い、寝台列車を仮初の宿として繰り返し飛び続ける。塹壕戦の前線から帰還し得なかった彼らの魂は、管理人と名乗る謎の老人と共に永遠の旅を続けていたのだ。

寝台の奥で永遠の生と死を繰り返す美少年。移動鳩という珍しい着想。ビー玉、信書管、アーク灯の映写機、ジョゼフ・コーネルの小箱など、レトロかつ美しい小物類。ドラマの起伏よりも幻想的なディティールと空気感にこだわり抜いたファンタジー……というよりもまんま幻想文学な作品で、惹きつけられるポイントがあればどっぷり浸れるのは間違いなし!

Web連載は第5話までで、単行本での描きおろしで完結予定。雑貨・小物描写への拘り、どこか無機的な美少年同士の関係性など、やはり先述した作家あたりに慣れ親しんだ女性読者なら引っかかるポイントてんこ盛り。「なんのこっちゃ」という男性読者も、試しに読んでみれば意外とハマるかもしれませんよ!

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『寝台鳩舎』掲載情報

・作者:鳩山郁子
・掲載メディア:ぽこぽこ

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