【録画したい番組】ディストピアSF映画『華氏451』、トリュフォーとブラッドベリの異色タッグ作がBSプレミアムで放送

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ヌーヴェルヴァーグを代表する映画人フランソワ・トリュフォーの監督作『華氏451』がBSプレミアムで1月23日(金)13時00分から放送される。

トリュフォーといえば粋な男女が喋々喃々するオサレな映画が思い浮かぶ。だが、これはそういう意味ではかなりの異色作だ。原作はあのSF界の巨匠レイ・ブラッドベリの同名小説。そう、トリュフォー生涯唯一のSF映画なのである。

舞台は本の所有や読むことが禁止された近未来。本は現実に起きてはいないことを考えさせ、人を悩ませ惑わすから危険だというのがその理由だ。当然これはタテマエで、始皇帝の“焚書坑儒”のような国家の統制が真の目的である。大衆に余計な知識を与えずに愚民化させておけば、お上に逆らうこともなし、世は並べて事もなしというわけ。

主人公モンターグはそんなディストピア国家の犬であるファイアマン。とはいえ消防士ではなく、通報あらば西へ東へ駆けつけて「汚物は消毒だー!」とばかりに本を火炎放射器で焼き払うのがお役目だ。近々昇進の予定もあるほど真面目な仕事っぷりに定評のある彼だが、ある日一人の女性クラリスと出会ったことで話は動き始める。テレビを見るだけが趣味のつまらない妻リンダとは正反対の彼女の知的な魅力に惹かれるモンターグ。そして彼女は問う。本のなにが悪いのか?

さて、その答えと続きは見てのお楽しみ。レトロフューチャー感たっぷりな時代を超越した映像美はもちろん、徹底して文字を廃した演出が最期に花開く映画史に残る叙情的なラストも必見だ。また知らないと意外と気づく人は少ないかもしれないが、クラリス役のジュリー・クリスティは妻のリンダと二役を演じている。挑戦前挑戦後で大きく変化するライザップのCMじゃないが、読書が人を豊かにすることを女優の存在感によって表現しているのも面白いところだろう。

それにしてもプレミアムシネマ、最近いい映画やるよね。トリュフォーの母国フランスでは出版物が原因で国をあげてのゴタゴタが続いてるというのに、いま本作を放映しちゃうトンパチ具合は嫌いじゃないぜ!