【映画レビュー】キンプリ見たならプリパラも見とく? 新作劇場版『プリパリ』が大満足すぎ&あじみ先生がヤバすぎた!

20160318eiga映画キービジュアルより

口コミでのヒットを経て、3月15日には興収3億を突破した今話題のアニメ映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(キンプリ)。そのヤバさは本サイトのレビューでもご紹介させていただきましたが、それに負けじと楽しいアニメ映画がまた始まっているんです。

それが『キンプリ』スピンオフ元の『プリティーリズム』シリーズを前身とする、現在放送中のテレビアニメ『プリパラ』の新作劇場版『プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ』! 今回もやはり同シリーズのファンであるライター寺田が、その魅力についてご説明させていただきます。

そもそも『プリパラ』って何ぷり?

2010年スタートの『プリティーリズム』の要素を継ぎ、2014年から稼働を開始したTCG方式の女児向けアーケードゲーム『プリパラ』が原作。同年スタートのアニメ版は、女児アニメなのにやけに話が重かった前シリーズから一転、ターゲット層を小学校低~中学年のより小さな女の子に定めて、明るく楽しいコメディ路線を押し出した作品です。「みんなトモダチ、みんなアイドル!」をキャッチに、仮想空間プリパラで歌とダンスとオシャレに励むアイドルたちのストーリーが描かれます。

競合の『アイカツ!』シリーズなどにも負けじと女の子の間で人気を博しているのは、親御さんならご存知の通り。その横でこっそり楽しむ成人プレイヤーもまた多く、アニメ版も『プリティーリズム』シリーズと同じかそれ以上に、なかなかの大きなお友達人気を得ています。その理由はぶっちゃけライブシーンの3DCGモデルが超可愛いことも大きいのですが、なによりその明るく楽しいコメディ路線を味付けするスタッフ陣のキマったギャグセンスが一番でしょう。

監督は旧テレビ朝日版『ドラえもん』の演出を黎明期から手がけた大ベテランにして、サンリオのキャラクターもの『おねがいマイメロディ』シリーズをエグいブラックジョークてんこ盛りに調理したことで知られる森脇真琴。どの作品もなにかしらおかしい後の『ジュエルペット』シリーズへの土壌を作り、同じくキッズアニメでは『ひめチェン! おとぎちっくアイドル リルぷりっ』を手掛け、夕日をバックに大量のトランプを口から吐き出し続けるなどの衝撃シーンは今なお一部アニメファンの語り草です。

最新作『プリパラ』で見せるその手腕は、極端なキャラクター作りとボンクラギャグの合わせ技にあり。主人公らぁらは「かしこまっ!」(「かにみそっ」などのバリエーションあり)、親友のみれいは「~ぷりっ」など、キッズ向けに分かりやすいキャラ付けとして口癖や語尾を設定したキャラが大半な本作。最初に「ぷり」を聞いたときも大概驚いたのに、それがエスカレートして囲碁キャラなので「イゴッ」、天使キャラなので「じぇる~ん」、興奮すると「ラブサーティーン!」と叫んでラケットを素振り、パスタ屋店主の父親は「わかっトルティーヤ」などの親父ギャグを欠かさず、果ては「キュピコン!」という謎の鳴き声しか発語しないキャラまで……

『探偵オペラ ミルキィホームズ』で同監督とタッグを組んだふでやすかずゆきをはじめとする脚本陣も怪気炎を吐いて、キュートなアイドルたちが1話につき最低5回はやりすぎなダジャレと地口と天丼を良い意味で大味な演出とともにぶっ込み続けてくる超特濃のギャグアニメになっているのです。

映画版は面白いぷり?

そんなお子さまから大きなお友達まで楽しませてくれる本作がヒットしないわけがない! ストーリー性が薄くライブシーンの総集編という趣が強かった劇場版第一作『み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』と第二作『み~んなでめざせ!アイドル☆グランプリ』を経て、初のオリジナルストーリーでの映画化となるのが現在上映中の第三作『映画プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ』です。前二作はファンムービーの色が濃かったけど、今回は初見の人でもOK!

今作はテレビシリーズで忙しい森脇監督に代わってか、テレビ版副監督の佐藤まさふみ氏が絵コンテ・演出を担当。余談ですが佐藤氏監督作『セイントオクトーバー』も、深夜アニメなのに女児アニメ風のフォーマットにこだわりまくってテロップの文字全部にルビを振ったりするヘンに倒錯的な変身魔法少女アニメの怪作でオススメです。そもそもキャラクターデザインの原 将治氏も、『セイントオクトーバー』『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『砂沙美☆魔法少女クラブ』『11eyes』などマニアな深夜アニメたちのキャラデでお馴染みのアニメーターさんでした。

そんな監督以外にもヤバいアニメのクリエイターが勢揃いしてる本作が、これまたヤバい映画を用意しないわけがない! 今作は上映週によって一部ストーリーが異なるコース上映で、一周目は「ふわり・あじみ」バージョン。本日19日からは「ひびき」バージョンで、宝塚リスペクトのド迫力なライブを大画面で体感できることでしょう。

残念ながらコースは終わってしまったものの、少しでも体感してほしいのが本作最凶キャラ・あじみ先生のスゴい活躍ぶり。これまた芸術家の名前を語尾にしてしゃべくりまくるキャラなのですが、小学館ジュニア文庫刊の本劇場版の同名ノベライズ作品から一台詞を引用して、彼女のコースのあらすじに代えさせていただきたいと思います。

「そうだっダ・ヴィンチ! レオナルド・ダ・ヴィンチさまの潜水艇でプリパリを目指していたラファエロ! プリパリへレッツ・ゴーギャン、レッツ・ゴッホ! でも、アンリ、アンリ? アンリ・マティス! 見回す限りの水平線、フィンセント・ファン・ゴッホダ・ヴィンチ~、ダリもいない~、いないもんね、クロード・モネ! プリパリへの道にまよイーゼル、陸に上がったらヤン・ステーンって転んで、びっクリムト! 山の中をウロウロートテック! オオカミにパックリ、パックリッピ、フィリッポリッピ! 助けてくれテンペラありガッシュダ・ヴィンチ! ポンカン、心の底より感謝します、ポアン!」(P.108)

筆安一幸著『映画プリパラ み~んなのあこがれ♪ レッツゴー☆プリパリ』より

ネタバレ注意! 『プリパリ』のびっクリムトだった場面は?