超激安で買った「iPhone用ライトニングケーブル」が異常発熱で焦げてしまった件

2016040977▲問題のライトニングケーブル。

ライトニングケーブルから突然、煙が立ち上った。焦げ臭が鼻をつき、見る間に外装が溶けてしまった。急いでケーブルを引き抜いてiPhoneは無事だった――というプチ騒動が社内で発生しました。

持ち主によると、問題のライトニングケーブルは、某激安パーツショップで1本150円で買ったのだとか。もちろん非純正品。メーカー不明のバルク品です。焼けた原因は何だったのか。数本まとめ買いしていたそうなので、ガチ検証でおなじみハンダマスターかしま氏に未使用品も合わせてチェックしてもらいました。(編集部)

2016040975

炎上の通報受け、早速延焼部の殻割りをしてみた。 写真上が新品、写真下が問題のケーブルだ。内部構造はごく一般的なMFi非互換ケーブルの制御基板である。 搭載チップを説明すると、基板上側にある「3401」マークの入った三本足(SOT23-3型パッケージ)のチップが「AO3401A」という型番の MOSFET(電界効果トランジスタ)で、スイッチの働きをもつ素子。基板下部にある「PZ40」マークの入った6ピンIC(SOT23-6)は詳細不明だが、恐らく iPhone本体と Lightning認証通信をするための小型マイコンチップであると予想される。

殻割り前は、ハンダ付け不良のリード線のひげが隣りとショートでもして、ホットボンド加熱 → 劣化 → 炎上というストーリーを予想していたのだが、どうやらそう簡単なことではなかったようだ。

焼き上がり写真を見てもらうとわかるが、どうやら火元はPZ40チップであるようだ。チップの熱でカバーを接着していたホットボンドが劣化し、焦げたカレーのようになってチップの周りにこびり付いている。

2016040976

チップの発熱や熱破壊は、トランジスタやMOSFETなど電力制御素子でよく見られる故障だ。しかし、今回の炎上では6ピンのマイコンチップと思われるチップを中心に焦げが広がっていた。 マイコンチップが異常発熱する原因といえば、5Vを超える電圧の印加(=過電圧)や、電源+-の逆接続が一番最初に思いつく。 パソコンのCPUにありがちな、プログラムの暴走などでチップが熱っちんちん → 死亡というパターンは考えにくい。というのも、今回のような小型マイコンチップは、ヒートシンク無しで動作できるように最初から作られているからだ。

所有者の聞き取り調査では、2ポートの非純正充電器に、iPhone 6s Plusを接続して充電をしていたとのことである。 原因としては、雷によるスパイクノイズによるチップ破損、充電器の過電圧あたりも考えられるが、大方、PZ40チップの製造不良とういう路線が濃厚だろう。

MFi認証済みケーブルは、格安ケーブルよりは高価だが、買えないような法外な価格というわけではない(まったくない!)。格安ケーブルにはそれなりのリスクがある。これらのトレードオフを見極めてケーブルを選ぶことだ。

*     *     *

原因はMFi認証通信に絡むと考えられるチップ「PZ40」の製造不良では? とのことでした。所有者によりますと、問題のケーブルは何の不具合もなく、安定して使えていたそう。それが使用開始から2カ月ほど経ったある日、燃えたと。異変にすぐ気がついてラッキーでした。極めて低い確率のハズレを引いたとも考えられますが、不合理に安価なケーブルにはやはり警戒が必要なのかもしれません。充電器についても純正品を使うようにしたほうが安心かな、と思わせられた一件でした。(編集部)

【ガチ検証】アマゾンでiPhone用ライトニングケーブル買うならどれがいい?(2016年2月版)

2016020416

【ガチ検証】スマホ充電用USBケーブルを買うならどれがいい?(2016年2月版)

2016012262