【Web漫画】『海猿』佐藤秀峰の新作!『Stand by me 描クえもん』はグイグイ読ませるマンガ家漫画だった

manga20160422

日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

佐藤秀峰『Stand by me 描クえもん』 トーチWeb連載

クリエイターを目指す若者の青春劇というジャンルのなかでは、よく題材に据えられるマンガ家という職業。そう簡単になれるほど甘くない……という現実に揉まれながらも主人公が夢を追う青春ドラマは爽やかで楽しいけれど、第1話から未来の自分を名乗るハゲでデブのオッサンに「マンガ家なれないからやめとけ」と言われたら、夢どころの話ではない!

マンガ家志望のアシ青年・満賀描男(23)の前に現れたのは、未来からやってきた自分だという謎のふてぶてしい中年男性。人生を失敗しないよう描男のマンガ家の夢を諦めさせようとするオッサンだが、アシ先の先生に片思いの女性を取られるわ、過酷なスケジュールで自分の漫画は描けないわで、挫折寸前の描男をなぜだか鼓舞する一面も見せる。そんな中、ある雑誌の努力賞に引っかかり、デビューを目指して動き出す描男だったが……。

『海猿』『ブラックジャックによろしく』など、取材に基づいて海上保安・医療などの斯界の現状をシビアに捉えた人間ドラマを手がけてきた佐藤秀峰の新作。造形と描き込みの綿密さを徹底させたリアルな絵柄は相変わらずに、あえて直截な『ドラえもん』パロディという、コミカルながら気負いとリスペクトを感じさせるアイデアを組み合わせ、夢追うマンガ青年の苦闘を真っ向から下世話かつ誠実に描いたスタイルが特徴です。

マンガ家マンガの読みどころの一つである、作者の実体験の反映も変形されつつちょいちょい組み込まれている模様。作品の執筆条件や著作権に関する出版社とのトラブルがよく取り沙汰される作者ですが、それだけに、編集側とのコミュニケーションやマンガ家の権利問題など、実際的活動における問題意識がいかに作劇に昇華されていくかも気になるところ。

これぞ青年漫画という下世話さと青春マンガらしい青臭さを両立させた、読み応えバッチリの新作となっております!

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『Stand by me 描クえもん』掲載情報

・作者:佐藤秀峰
・掲載メディア:トーチWeb

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