【Web漫画】『藍蘭島』作者の美少女学園コメディ『かへたんていぶ』は、今風なのになんだか昔懐かしい……

manga20160615

日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

藤代健『かへたんていぶ』 ガンガンONLINE連載

90年代の桂正和作品とかあかほりさとる作品とか『BOYS BE…』とか、当時は思春期でハマってたけど多少大人になったつもりの今になって読み直すと、何とも言えない恥ずかしい気持ちになるラブコメ作品ってあるじゃないですか。もうちょい若い、2000年代に青春を過ごした世代だと『ネギま!』とか代表的に「ウッ」ってなるヤツだと思うんですけど、地味に『ながされて藍蘭島』も危険な球だと思うんですよ。今なお連載続いててガンガン最長寿作品になってるって知った時、血の気が引いたことを覚えております。

その『藍蘭島』と並んで09年からガンガンONLINEで連載中の、同作者のもうひとつの代表作が本作。舞台は部活動が盛んな私立つばめヶ丘学園、趣味のニッチな部活を各々申請せんと集った都幾川えみなたち新入生女子五人組は、ひょんなことからそれぞれのやりたいことをユルく行う「かへたんていぶ」(カフェ探偵部)を設立することに……という部活ものフォーマットの日常コメディです。

大枠を見るとコテコテなハーレムラブコメの『藍蘭島』から一転、女の子同士の掛け合いやカップリングで見せていく今風の美少女アニメ的な組み立て方。だけど、どこか古風で味わい深い読み味が印象的です。

1ページ漫画的なギャグのコマ割りのフォーマットと、冗長なほどネームを詰めるガールズトーク空気感重視の会話劇で、直截的なお色気を抑えがちなまんがタイムきらら的百合日常系に寄せているのにヒップにぴっちり皺バッチリの大胆パンチラを躊躇なくバシバシ連打するこのブレなさ! 00年代始めから現在進行形でハードコアなハーレムラブコメ一筋に描いている作家さんが、つい最近の『ごちうさ』『ゆるゆり』風のものにスゴい勢いで頑張って寄せた結晶のようにも見え、変わりゆくものと変わらないものの狭間で言葉にならない気持ちにさせられます。

ハイライトの入れ方や瞳孔のパターンが多様化したいま逆に貴重かもしれない、ベタに記号的で少年誌ラブコメ的な黒目がちのタレ目と古典的な表情の作り方。頭身高めのスリム体型な美少女絵と少女漫画+ぷに系のハイブリッドが目立つ昨今、どちらにも寄せ過ぎないデフォルメ具合のジス・イズ・萌え絵なコテコテのプロポーション。男女の顔の描き分けを顧みない潔さ。単行本のカラーページのピンナップで描かれるのがほぼ必ずミニビキニかテカテカスク水かブルマ体操服かを着てユルく笑顔でカメラ目線な美少女集合絵……なのかは定量的に確認してませんが、大体そういう感じでして、久々に目の当たりにすると実家のような安心感があると言いますか……

「変わらない良さ」「思い出の懐かしラブコメ」みたいなノリで肯定するにはまだまだ時間がかかりそうですが、新奇な美少女コンテンツが次々現れて目まぐるしく移り変わっていく今の時代、こういう作風を今でも読めることがありがたいというかほっとする……という感覚が分かるラブコメファンなら、脳内で堀江由衣「恋する天気図」でも流しながらしみじみ味わいたい一作なのです。

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『かへたんていぶ』掲載情報

・作者:藤代健
・掲載メディア:ガンガンONLINE

 

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