【連載】ゴーストライター経験者が語るゴースト本の作り方とギャランティ

ゴーストライター

昨年は新垣隆さんの作曲ゴーストライター問題などが話題になったり、その流れからゴーストライター本を出版していたとされる著者がネットでやり玉にあがったりしました。その中にうっすら知り合いがいたりして中々楽しい時間を過ごさせていただきました。

今回のコラムのネタを募集したところ「お前のゴーストライター経験や、業界での一般論を書け」と言われまして。まあ知らない間にライター歴が15年くらいになりそうでゴーストライターの現場にも結構携わったり近場から悲鳴を聞いたりしてきた経験から差し障りの無い範囲で紹介していこうと思います。

そもそもゴーストライター本はどうやって企画されるのか?

普通、書籍は著者が書きたい!と思ったことを出版社に企画として持ち込み、出版されるという経緯をたどると思われています。たぶん、その認識はある程度正しいのですが、実際は出版社に企画を持ち込んで出版に向けて頑張っている人が実現した書籍の数は、出版される本の半分以下なのではないかと思います。

書籍担当の編集は、大体常時5本~6本(もしくはそれ以上……!)の企画を動かしているもので、月に何回かある企画会議には何本かの企画を出さなくてはいけません。その時、持ち込みの企画で使えそうなものがあれば結構助かるようですが、なかなか無いというのが実状。知り合いのライターや作家に電話したり、編プロなどになにか企画を出してくれ! と言いながら自分でも企画を作らなくてはいけません。

著者ありきではなく、売れそうな企画に沿って後で著者を立てるという企画はこうして生まれます。読者が読みたい本を先に考えるわけですね。この企画が成立したときに、実際に主導する人や手を動かす人、看板にできそうな人をスタッフィングして本が生まれていきます。

とは言え、実現可能性ゼロの企画を先に通しても苦しむのは自分なので、こんな本の企画を出しますが通ったらご協力お願いします的な話は先に通っている場合が多いです。

もう一つは、通常の企画出版ではない予算付きの持ち込み企画。企業のブランディングのために社長の本を出したいだとかです。あとは、すでに売れている本のシリーズを持っている著者のラインナップを拡充したい場合ですね。

大体、企画にあった著者という看板が欲しい場合と、著者やシリーズのブランディングのために成果物が欲しい場合、この2つの条件のうちどちらかに合致した時にゴーストライター本は生まれます。次ページはそんなゴーストライター仕事が来た時のライターの気持ちと実際の作業を説明します。