【おすすめWebマンガ】チーズ・イン・ザ・トラップ(soonkki) 〜 計算され尽くした描写が生んだ究極のラブミステリー

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日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはい え、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せ ない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

soonkki『チーズ・イン・ザ・トラップ』 LINEマンガ

中国の書物『列氏』のなかに次のような寓話が書き記されている。ある人が持っていた斧を失くしてしまった。誰かに盗られたに違いないと思ってみるとなにやら隣人の一挙一動が怪しい。さてはコイツが盗んだなと思っていたら、実は斧は自分が置き忘れていただけであった。そう気づいて隣人をあらためて眺めると、どこも怪しい素振りは見えない。

先入観は往々にして判断を鈍らせる。疑心は暗鬼を生ずるというわけだ。ただし、そうわかってはいても暗鬼はやすやすと振り払えないのが我々人間の弱いところ。こと男女の関係になるとなおさらだ。今回紹介する『チーズ・イン・ザ・トラップ』はそうした心理面をミステリ仕立ての構成で描く恋愛モノだ。あま〜いばかりのラブロマンスじゃない。

容姿端麗で頭脳明晰、しかもお金持ちという大学のヒーロー・青山淳から優しく声をかけられて赤山雪は戸惑う。ルックスは人並み以上だが頭はボサボサ、ファッションセンスは皆無で周囲からはガリ勉扱いされている彼女である。なによりそれまで挨拶をしても無視されることがほとんど。周囲からは誰にでも優しいと思われている青山だが、彼女だけは彼が時折見せる冷淡な表情に気づいていたのだ。

なのになぜ君子は豹変したのか。やはりなにかの罠なのか。疑心が募るたびに挿入される回想シーン。そこで彼女は彼に関わるたびに嫌な思いをしてきたことが明らかになるが、これが時系列がバラバラで一筋縄ではいかず。面倒くさい性格の面倒くさい連中が複雑に絡み合ってくるので先が読めない。

どこかデビット・リンチの映画『マルホランド・ドライブ』っぽい、分析すれば分析するほど唸る構成。このため登場人物たちの行動や心理面のピースがつながって全体の絵が浮かびあがる瞬間は爽快だ。ちょっとした仕草や表情などの描写はかなり練りこまれており、読むたびに発見があるのが面白いところだろう。

なお、地名や登場人物などはすべて日本語に書き換えられているが本来は韓国の漫画。極端な学歴社会や親子関係など、その辺の事情を踏まえて読むとより楽しめるハズ。

 

『チーズ・イン・ザ・トラップ』掲載情報

・作者:soonkki
・掲載メディア:LINEマンガ

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