【連載】アイドルストーキング“STK”と、ストーカー撃退私設ヒーロー

アイドルストーキング

アイドルファンが聖地をいかに突き止めていたかのルポが妙に好評だったので、今回はアイドルストーキングについて書いてみようと思う。予期せぬアイドルもの第二弾をどうぞ……。

第一弾は「【連載】死闘!アイドル聖地巡礼修行者たちの足跡(90年代〜00年代編)」からどうぞ。

アイドルストーキング“STK”悲喜こもごも

アイドルオタクはだいたい3段階に分類される。第1段階は、アイドル個人を真剣に好きで、叶うか叶わないかはともかく、最終的にはその子とつきあいたいと思っている段階。これは若年層に多い。

一般人から見たいわゆるアイドルファンはこのカテゴリに属しているとみなされている。が、アイドル道にどっぷりハマり始めると素朴な恋愛感情から次のステップへと行くもののほうが多い。

アイドルのコンサートなど現場へ行く過程でオタ同士と交流するうちに、そのなかでの人間関係をいかに円滑にするか、また自分のプレゼンスを上げていくかというふうに志向が移る。いわゆるトップオタ・カリスマオタになりたいだとか、ファン同士、あるいは事務所など運営側から頼られたりと、自分の価値を上げることに楽しみを見出すようになるというわけだ。

もちろん、応援しているアイドルに対して恋愛感情みたいなものは残ってはいるものの、どちらかといえば、いかに彼女を世に送り出すか、プロデューサー的な考え方が強くなっている。

さらに煮詰まり第3段階に入ると、より細分化されて、端から見て一体何をして生きているのかよくわからない生き物になっていく。

たとえば、アイドルシーン全体のオタになり、あらゆるアイドルの現場に足を運ぶというタイプ。この手のタイプは、事務所のブログで小さく告知されているイベントまで全部チェックして、新人アイドルの初めてのイベント、コンサートにはとりあえず行き、ツバをつけておく。ようするに初物買いだ。

あるいは、アイドルのグッズとかCDとか、イベントで配られたものとかとにかく集めるというタイプもいる。どちらもアイドルの情報をどんどん掘り下げていく点では共通するものの、それぞれ交流するということはほとんどない。

アイドルオタにはまた、大別して外向的なオタと沈溺するオタと2系統に分けられる。このうち沈溺する系のオタがやらかして、話題になるのがいわゆるSTK、ストーキングだ。

ストーキングはもちろん犯罪行為であるが、それがSTKと略語で呼ばれ、アイドルオタのあいだで日常的に使われているところからして推して知るべしだろう。それだけオタ界隈では頻発に起きているのだ。

オタのあいだでは、このアイドルはどこの学校に通っている、自分はあの子のクラスメイトだといった情報が交わされている。新人アイドルの場合、スケジュールも毎日入ってるわけではなく、学校からレッスン場などへ行くのにも電車移動ということも少なくない。ある程度目端の利いたオタならば、すぐに家まで突き止めてしまう。そこからは、「おはようからおやすみまで」アイドルの行動を見守り続けるSKTの世界が待っているというわけだ。次ページでは、そのSTKで起こった事件を追っていきたいと思う。