なんかICOっぽい? 道内最古の立坑櫓『北炭幾春別炭鉱錦立坑櫓』は夏草に包まれ静かに眠っていた

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今回のワンダーJAPAN物件は北海道三笠市、草木の奥に眠る遺構『北炭幾春別炭鉱錦立坑櫓』です。かつての立坑跡に残された巨大な巻き上げリールは、まるでゲーム『ICO』の世界でみたことあるような……。大正9年生まれ、道内最古の立坑櫓は鬱蒼と繁る夏草に包まれ静かに眠っています。

以下、文・写真|ワンダーJAPAN編集部

北炭幾春別炭鉱錦立坑櫓(北海道三笠市)

幾春別川沿いを走るサイクリングロード脇の小高い丘の上にある、この北炭幾春別炭鉱錦立坑櫓。取材に行ったのが7月だったためか、山道には人の背丈ほどはあるクマザサが鬱蒼と繁り、デスクワークが主体の軟弱者など近寄るな! といわんばかりの雰囲気。もちろん写真を撮らないことには会社に帰れないので、とにかく丘の上を目指し、汗だくになりながら道なき道を登り続ける。

だいたい50mほどの距離を進むのに15分くらいかかって、丘の上に辿り着くと、そこは辺り一面、草木に囲まれた緑の世界。目的の櫓はどこ? 変な虫にまとわりつかれながら更に奥へと分け入っていくと…ようやく発見! 森の中で眠るように佇む鉄骨の櫓。

2016102531▲森の中の立坑櫓。周囲には2mほどの夏草がびっしりと生えている。櫓自体の高さは約10mほど

一見、「火事で燃え残った水車小屋」といった感じの佇まいだが、なんといっても築80年を超える由緒ただしき立坑櫓。赤錆時代をはるか昔に通り越し、黒ずんだ&苔むし始めている外観は、ちょっとした古代遺跡のよう。

2016102533▲誇らしげに飾られた”北炭(北海道炭礦汽船)”の社章

見上げるほど大きいわけでも、人目をひくエキセントリックな形状をしているわけでもないのだが、時代を積み重ねてきた重厚感がただよい、神秘的な雰囲気さえ醸し出している。その姿を目にしたときは、しばし感動を覚えてしまった。

まぁ、辿り着くまでの苦労がそう思わせている可能性も大だけど…。ということで訪れるなら夏がオススメ!

2016102532▲巨大な巻き上げ用のリール。手の届く高さにあるので、迫力が実感できる。櫓の下には深さ200mほどの立坑があった

2016102534▲櫓の隣には、巻き上げ用の機材が設置されていた施設が残っている。内部の機材はほぼ撤去されており、空虚な室内に緑色の陽光が差し込んでいた

2016102535▲かつては、轟音とともに石炭を運び上げていた立坑櫓も、現在は静寂の中でひっそりと朽ちている。ただ、各部分の風化はそれほどでもなかった

アクセス

  • 道央自動車三笠ICから道道116号線を三笠市街・芦別市方向へ、車で約20分。サイクリングロードを徒歩で約15分。
  • 住所:北海道三笠市幾春別山手町


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