意外な国産セルが? ファミマで売ってるスティック型モバイルバッテリーをガチ検証した結果……

ファミリーマートで売られていた、スティック型モバイルバッテリー『リチウムチャージャー2600』。携帯しやすそうな形状だし、MFi認証のLightningケーブル付き。わりと気になる人もいるのでは? ただ、お値段は3,110円とお高め。そこでガチ検証してみました。意外としっかりしたセルを使っているようで……。(編集部)

 

検証:ハンダマスターかしま

多摩電子工業|リチウムチャージャー2600|品番 FIL36LKW|3,110円

内蔵充電池(SANYOブランド製円筒型)

基板

放電グラフ(98分45秒)

バッテリーに 5.0V/1A の負荷をかけ続け、終止電圧(バッテリー充電1回分の寿命となる目安の電圧、モバイルバッテリーの場合は4.5V)に下がるまでの時間を計測。1回の充電でもっとも長く使えるモバイルバッテリーの指標となる。

負荷テスト(2.33A)

4.5V を下回るタイミングをチェック。保護切断時の負荷は2.5A。

リップル電圧(ノイズ)

電源が発するノイズを検証。充電時のリップル電圧をリアルに測定するため、充電時と同じ 1.0A の抵抗負荷を与えた時のリップル電圧(ノイズ)をオシロスコープで計測した。ノイズが大きいと充電中の音楽再生に影響する可能性もある。

検証結果まとめ

  • 充電池
    • ブランド SANYO(サンヨー)
    • タイプ 円筒型セル UR18650ZY 2,600mAh 3.7V x1
  • サイズ / 重量 106×24.5×22.5mm / 76.6g
  • コントローラ
    • NanJing TP4056(充電)
    • SII S-8365AABBA(給電)
  • ポート固定強度
    • microUSB はんだ4個所+穴2個所 強度△
    • USB はんだ4個所 強度△
  • 識別電圧 Apple 1.0A固定
  • 60分後電圧 4.86V
  • 1.0A負荷放電時間 98分45秒
  • 最大供給電流(公称値)
    • ポート全体 2.33A(1.0A)
    • 過電流保護 2.5A
  • 1.0A負荷リップル電圧 42.9mV
  • 容量(3.7V換算)
    • 公称容量 2,600mAh
    • 実測容量 2,143mAh
    • 誤差 -17.6%
  • 1Ah単価 約1,451円(本体3,110円)
    ※ただし本製品にはLightningケーブルとmicroUSBケーブルが同梱
  • 電流スコア 233(100以上が理想)
  • 容量スコア 82(80以上が理想)
  • 同梱物 Lightningケーブル, microUSBケーブル

総合評価 ★★★★☆(3.5)

結論からいえば “Lightningケーブルが不要なら買う理由はないが、性能面は無難なモバイルバッテリー” だろう。

SANYOブランドセルを採用

ファミリーマートで見つけた多摩電子工業製モバイルバッテリー『リチウムチャージャー2600』は容量2,600mAhのスティック型。一見するとダイソーの300円モデルと似ている。が、その中身は意外なものだった。

内蔵バッテリーセルにはSANYOブランドの円筒型リチウムイオンセル(UR18650ZY)が採用されていた(SANYOブランドの電池はFDKに譲渡されている)。すべてのロットがSANYO製かは不明だが、国産セルにこだわる人にとってはアピールポイントになるのではないだろうか。

実測容量は公称値2,600mAhに対し、2,143mAhで誤差-17.6%。妥当なところだろう。

出力性能は問題なし

負荷試験の結果は公称出力 1.0Aに対し、4.5V降下ラインは 2.33A、保護切断ラインは 2.50A。公称値を十分に上回るものだが、ある意味、公称値が控えめすぎるかもしれない。充電器識別は Apple 1.0A固定で、short属性を要求する Android系スマホでは急速充電が開始されない可能性はある(とはいえ、無理な 2.0A充電が開始されないのは好都合か)。

電圧グラフは緩やかに落ち込む曲線となり、回路に余裕がなさそうな感じなので、発熱など耐久性を考えると無理な負荷を与えるのはやめたほうがよさそうだ。

放電時間、実測容量ともに無難。このあたりはSANYO製セルに拠る部分もあるかもしれない(制御基板の出来が大きく影響するが)。

リップル電圧(ノイズ)は 42.9mV(RMS)、631mV(P-P)と少々高め。スイッチング周波数が 1.23MHzであり、これは AMラジオの 1,230KHzに相当するので、周波数の近いラジオ放送を受信している場合は混信する可能性がある。

なお、基板の工作精度はいまひとつ。実は本製品は一度、初期不良品を引き当てており(給電できず)、品質についてはややネガティブな印象を持っている点は添えておきたい。

Lightningケーブルが必要な人向け

販売価格は3,110円(税込)。容量コスパを見ると、1Ahあたりの単価を見ると約1,451円、ガチ検証史上ぶっちぎりの割高モデルだ。ただし、本製品はLightningケーブルとmicroUSBケーブルが付属する。LightningケーブルはMFi認証品で、単品なら1本1,000円はするため、単純に容量コスパでは購入を判断できない代物だろう。

あくまでも、iPhoneを緊急で充電する必要のある場合か、Lightningケーブルと手頃なサイズのモバイルバッテリーがあわせて欲しい場合以外では、購入する理由のない製品だろう。

なお、同梱のLightningケーブルの検証結果も以下にまとめておく。

  • 抵抗値 128.7mΩ(90cm)
  • 電圧降下(2A) 0.26V
  • 電源芯線 0.05mmφ×44本
  • シールド 編み線+アルミ箔+GND線1

※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。