コストコのUSBポート付き電源タップってどうなの? 『ロータリーUSB』をガチ検証してみた結果……

コストコの電気小物コーナーで販売されている、USB付き電源タップ『Rotary USB』(ロータリーUSB)。回転式の6口コンセントにUSBポートが2個、わりと使い勝手がよさそうです。それに、でかくて重いし、頑丈そう。

先日、同じメーカーの姉妹品、USBポート付きACアダプタ「USB WALL 2PK」の検証をお届けしましたが、本製品でもガチ検証してみました。

問題なさそうな気がしますけど、どうなのでしょう?(編集部)

 

検証|ハンダマスターかしま

電源タップの主なチェックポイント

ガワの厚みは十分か?

ガワ(ケース)の装甲が厚く、絶縁性に優れ、頑丈かをチェック。電源タップは足もとに置くものなので、うっかり踏んでも簡単には壊れないくらいの強度がほしい。

太く低抵抗の導線で配線されているか?

スマホの充電程度なら多少いい加減な構造でも大丈夫かも知れないが、大電力機器を使用した時には発熱や電圧低下の原因になる。

はんだを使用していないか?

はんだは銅よりも電気抵抗が高く、240℃以上で溶け始めるため、電力配線にはなるべく使わないほうがよい。金属部の接合にはんだを使うのは簡単かつ接触不良を低減できる手段だが、大電力を使った場合、過熱によってはんだが溶け落ち、周辺の部品と接触してショートするなどの原因となりうる。はんだを使わない製品では、ネジ留めや圧着による接合方法が採用されている。

接触・可動箇所は最小限か?(電気抵抗)

壁コンセントとタップの口までの間のスナップ式コンセント、ON/OFFスイッチ、サーキットブレーカーなどはなるべく無いほうがよい。 接触部は導電部の何百倍もの電気抵抗があり、発熱や電圧低下の原因となる。電気抵抗は、ショート状態にしたプラグを一箇所挿し込み、タップのプラグ両端を4線式抵抗計で計測。

では検証を。

ファーゴ ロータリーUSB|1,598円

部品

内部

基板

負荷テスト(USB)

4.5V を下回るタイミングをチェック。

リップル電圧(ノイズ)

電源が発するノイズを検証。充電時のリップル電圧をリアルに測定するため、充電時と同じ 2.0A の抵抗負荷を与えた時のリップル電圧(ノイズ)をオシロスコープで計測した。ノイズが大きいと充電中の音楽再生に影響する可能性もある。

検証結果

電源タップ部
  • 定格容量 1450W
  • 口数 6
  • プラグ 可動型
  • スイッチ あり(1個)
  • ランプ LED
  • はんだ付け あり
  • 内部導体 4.5mm × 0.35t
  • コード断面積 1.8mm²
  • 抵抗値 104mΩmΩ(コード長 1.5m)
  • ガワ厚み 2.0mm ねじれ強度 ◯
  • ブレーカー なし
  • サージアブソーバ あり
USB充電器部
  • ポート数 2
  • コントローラ TI UCC24610D
  • USB固定 はんだ穴2個所 強度◯
  • 2.0A負荷時電圧 4.93V
  • 充電識別
    • ポートA Apple 2.4A固定
    • ポートB short
  • 最大出力(ポート合計)
    • 公称値  3.4A
    • 4.5V降下時 3.96A
      ※片側最大2.11A
    • 保護切断時  4.08A
  • 2.0A負荷リップル電圧 44mV以上(最大290mV)

総合評価 ★★★☆☆(3.0)

結論からいえば、“わりと頑丈で使い勝手はいいが、積極的にはおすすめしない” 電源タップだろう。

電源タップ部は?

「電源タップはシンプルな構造、太線、太板金が一番」と考える筆者から見ると、『ロータリーUSB』のような回転式の6口コンセント仕様で、USBポートも備えているような製品はまずおすすめしない。しかし、現実的にはこの手の製品は利便性が高く、ニーズがあるのだろう。

回転機構をチェックしてみると、あらかじめ各方向に3口あるコンセントを、回転するガワで隠す構造となっていた。どうせなら18口すべて隠さず見せてしまったほうがインパクトあるのに……(最大容量の問題もあるし、余計な口を隠すのは当然だろう)。

ガワの強度は悪くない。妙に重いのは、使用しないコンセント口の無駄な導線板金と、回転機構の部品があるためだろう。

内部の電力配線を確認すると、あらゆる個所ではんだ付けが使われているが、どういうわけか板金導線の入力部分だけ100V線に溶接が使われていた。どうせなら板金導線の接合にも溶接を使って欲しかった。

USB充電器部は?

USB充電器部については、2個のUSBポートの充電属性が異なる点に注意したい。Aポートは Apple 2.4A固定、Bポートは short となっている。この点に関して説明書きはないようだ。出力性能は公称3.4A(ポート全体)に対し、4.5V降下ラインは3.96A(1ポート最大2.11A)、保護切断は4.08Aでとくに問題はない。

実は本製品、以前に検証したコストコのUSBポート付きACアダプタ「USB WALL 2PK」と同じ基板を使用している。どちらもファーゴという会社が製造・輸入元となっている。中身はほぼ同じ姉妹品というわけだ。どちらか選ぶ場合は、テーブルタップ型かACアダプタ型か、必要な形状のほうを選べばよいだろう。

ただし、同じ基板のわりに本製品はリップル電圧(ノイズ)が荒い。嵐のような波形になってしまった。はずれ品でも引いたのだろうか。大きな影響はないものの、少々気になる点ではある。

悪くはないが、決め手に欠ける

踏んでも簡単には壊れなさそうなガワの剛性感、誤操作を防ぐようにトップ面から凹んだ構造になっているスイッチ部、ACアダプタなどの干渉を回避できる回転機構など、使い勝手に着目すれば、『ロータリーUSB』は行き届いた電源タップといえる。この手の機能的な電源タップが欲しい人には向いているだろう。普通の電源タップを探しているのなら、ちょっとおすすめはしない製品だ。

※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。