自分のPCに「キーロガー」を仕込んだ男 10年分の入力データから判明した「最も押したキー」とは?
現代はライフログ好きたちにとって幸せな時代です。走った距離でも眠った時間でもドキドキした心臓の拍動でも、とにかくなんでも気軽に記録できます。
そんなライフログを楽しんでいる人のひとり、ライターの湯浅氏。自らのPCにキーロガーを導入し、キーの入力記録をとり始めること10年以上。おお……。生涯にわたってとり続ける予定なのだそうですが、今回その中間報告をお願いしてみました。
いったいキーログから何が見えてくるのでしょうか? 多くの現代人が日々使用するキーボードだけに、けっこう興味深い報告となっておりますよ!(編集部)
キーログからぽろぽろ溢れてくる思い出の数々
よく「過去を振り返るな、前を見ろ」というが、筆者の趣味は「過去を振り返ること」である。
「10年前の今日は、こんなことをしていたんだな」「中学生の頃、こんなことを考えていたんだな」ということを振り返るのが、好きでたまらないのだ。
そのために、できるだけ多くの記録をとることにしている。生まれたときから頭にGoProを巻いておいてほしかったくらいだ。実際、ウェブカメラで仕事部屋全体を24時間タイムラプス撮影していたこともある(これは自分の姿が見るに耐えなくて、すぐにやめた)。
そんな筆者だから、「押したキーの数」も記録しておきたくなった。パソコンのキーを押すたびに「どのキーを押したか」を記録し、その数も記録していくということだ。そのためには「キーロガー」というソフトを使えばいいのだが、やりたいと思う人があまりいないのか、良いキーロガーがなかなか見つからなかった。
その中で見つけたのが、『あの頂をめざせ! ぐれいと』(WindVoice氏作)というフリーソフト(以下『頂』)。『頂』の素晴らしいところは、単に記録するだけでなく、さまざまな角度からデータを集計し、表示してくれるということ。
それを10年以上続けてきた。
記録を開始したのは2004年12月23日。そこから現在に至るまでのデータをご覧いただこう。
『あの頂をめざせ! ぐれいと』。累計カウント数に応じてメッセージが表示されるのも楽しい。すでにメッセージが「カンスト」してしまっており、いまでは毎回このメッセージになる。
『頂』によって明らかになった約10年間の統計数値は以下のようになる。
- キーを押した回数:3,797万3,121回
- マウスをクリックした回数:404万4,791回
- マウスポインタの移動距離:583.70816km
この数字を見てもピンと来ないかもしれない。しかし、この数字はさらに細かく見ることで意味を持ってくる。次ページからは、キーログを通じて私という人間の仕事ぶり、生活ぶりと向き合う作業にお付き合いいただければと思う。
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