京浜急行の駅で「もじ鉄」が注目しているポイントとは?

もじ鉄、知ってますか? 撮り鉄、乗り鉄、呑み鉄(マイナー?)の鉄です。鉄道にまつわる「文字」に魅せられたひと。ざっくりいうとそんな感じですかね。

もじ鉄のための情報サイト「もじ急行」を運営する石川祐基さんによると、主なターゲットはプラットフォームの駅名標。日ごろ意識せずに見ている人がほとんどだと思いますが、駅名に使われるフォント(書体、写植もある)やデザインって、鉄道会社それぞれの味があるんです。しかも、その味は時代とともに少しずつ変わってきています。とくに最近は、2020年の東京オリンピックに向けて変化が激しいのだとか。新旧が入れ替わる変革期にあるんですね。

そんなディープなもじ鉄ワールドの楽しみ方を石川さんにレクチャーしてもらいました。

第1回は「京急電鉄の文字」。京急ユーザーのみなさま、ぜひここでご紹介するポイントを押さえて、駅の文字をチェックしてみてください!

POINT 01|電車は赤いけど、駅名標は青いです。

濃紺の背景と、コーポレートカラーである水色に添えられた白いラインが爽やかな新しいスタイルの駅名標は、2012年に完成をした梅屋敷~雑色、京急蒲田~糀谷駅間の高架化に合わせて登場。当初は背景が濃紺ではなく白地のデザインも設置をされていた。ネーミングライツによる副名称は、別個の筐体を用意するのではなく駅名標に直接表記される。

POINT 02|国際線は、国際線らしく。

外国人旅客の多い羽田空港国際線ターミナル駅には、英字表記がメインの珍しい駅名標も。決められたフォーマットの中で臨機応変に変化をして行くスタイルが素敵!

POINT 03|同じようで、実は違う。

一世代前の駅名標は和文に “ゴナ”、欧文に “Helvetica”(ヘルベチカ・デミボールド)が使われているが、今回は和文に注目! 同じ “京急新子安” でも設置時期などによって書体が異なるのだ。

“ゴナ” と同じように見えるが、旧デザインの駅名標が使われていた時期の末期に交換されたものは “新ゴ” を使用。

“ゴナ” や “新ゴ” だけでなく “平成角ゴシック体” が使われた駅名標も存在する。これは見た目の判別がつきやすい。

POINT 04|京急といえば、この文字!

もじ鉄の中でも特に人気の高い、“京急駅名標書体” 。オリジナルで作られたスピード感のある文字は、どことなく懐かしくもあり可愛らしい。

POINT 05|新旧、世代交代の瞬間。

白い背景のサイン(一世代前)から、濃紺のサイン(現行型)へと世代交代が進む京急。新旧のデザインが混在した交換途中の光景は、なかなか貴重であり興奮する瞬間だ。見つけたら #もじ鉄 を付けて Twitter に投稿してみよう!

※ 掲載中の駅名標等は現存しない場合がございます。また、書体は石川祐基氏が調査したものであり、実際と異なる場合がございます。

もじ鉄案内人|石川祐基 グラフィックデザイナー

1987年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部中退。アニメーション・デザイン制作会社を経て、2016年より「もじ鉄のための鉄道と文字のウェブマガジン もじ急行」を制作・運営。2017年にデザイン事務所「デザイン急行株式会社」を設立。おもな仕事に、NHK「キッチン戦隊 クックルン」、新江ノ島水族館「えのしまんず」、アイドルユニット「神宿」ロゴデザインなど。Web・SNSはこちら → もじ急行TwitterInstagram

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