京王線の駅で「もじ鉄」が注目しているポイントとは?

もじ鉄、知ってますか? 撮り鉄、乗り鉄、呑み鉄(マイナー?)の鉄です。鉄道にまつわる「文字」に魅せられたひと。ざっくりいうとそんな感じですかね。

もじ鉄のための情報サイト「もじ急行」を運営する石川祐基さんによると、主なターゲットはプラットフォームの駅名標。日ごろ意識せずに見ている人がほとんどだと思いますが、駅名に使われるフォント(書体、写植もある)やデザインって、鉄道会社それぞれの味があるんです。しかも、その味は時代とともに少しずつ変わってきています。とくに最近は、2020年の東京オリンピックに向けて変化が激しいのだとか。新旧が入れ替わる変革期にあるんですね。

そんなディープなもじ鉄ワールドの楽しみ方を石川さんにレクチャーしてもらいました。

第3回は「京王電鉄の文字」。京王ユーザーのみなさま、ぜひここでご紹介するポイントを押さえて、駅の文字をチェックしてみてください!(バックナンバーはこちら

POINT 01|同じ書体で統一します。

和文、欧文ともに “新ゴ” を使用しているが、かつてはいずれも “ゴナ” が使われており、日英表記を同じ書体で統一することが駅名標をはじめとする京王のサインシステムの特徴とも言える。写真では分かりづらいが、駅名表記の文字色は黒ではなく焦げ茶に近い色をしているのもチェックポイントだ。

POINT 02|京王線はご当地がお好き?

調布駅の場合

日活調布撮影所、角川大映スタジオと2つの撮影スタジオがあることで有名な “映画のまち 調布” にちなんで、調布駅の駅名標はフィルムをイメージしたご当地仕様に。駅名標だけでなく、構内のサインもすべてフィルムのようなデザインになっている芸の細かさである。

高尾山口駅の場合

2020年東京五輪の会場、新国立競技場の設計などで有名な建築家の隈研吾さんが手がけられた、木材を活かした暖かみのある高尾山口駅の駅舎に合わせ、駅名標も木目調に焦げ茶の文字のご当地仕様。書体は和文が “きざはし金陵” 、欧文は “Clarendon”だ。

※掲載中の駅名標等は現存しない場合がございます。また、書体は石川祐基氏が調査したものであり、実際と異なる場合がございます。

もじ鉄案内人|石川祐基 グラフィックデザイナー

1987年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部中退。アニメーション・デザイン制作会社を経て、2016年より「もじ鉄のための鉄道と文字のウェブマガジン もじ急行」を制作・運営。2017年にデザイン事務所「デザイン急行株式会社」を設立。おもな仕事に、NHK「キッチン戦隊 クックルン」、新江ノ島水族館「えのしまんず」、アイドルユニット「神宿」ロゴデザインなど。Web・SNSはこちら → もじ急行TwitterInstagram

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