人気商品から学ぶロゴの作り方ーー「サッポロ一番 カップスター」は進化し続けるためにロゴを変えた
ロゴには理由があります。
日ごろ、親しんでいる商品やサービスを象徴するロゴ。そのデザインビジュアルはただ感性にもとづいて制作されているわけではありません。ロジカルに組み上げられたものなんです。必ず「誰に対し、どのような目的でデザインしている」という論理的な狙いがあります。
そんなロゴデザインのロジック(狙いと解決策)について取り上げたいと思います。
第1回は、サンヨー食品の『サッポロ一番 カップスター』のロゴ。1975年に誕生し長く親しまれてきたカップ麺ですね。 星マークが印象的なロゴは2012年にリニューアルされました。そこには、ロングセラーブランドであることを活かしつつ 、新規性の両立を図るための試みが見られます。
今回の事例|サッポロ一番 カップスター
- ターゲットの設定|30〜50代の男性カップ麺ユーザー
- ブランディング展開|ロゴ→パッケージ、Web
サンヨー食品から「サッポロ一番」ブランドにて発売されているカップラーメン。70年代に発売され、長く親しまれてきた同商品が、2012年10月のリニューアルの際に「進化し続ける」をコンセプトに掲げてロゴを刷新しました。より目に留まりやすくするという課題のもと、ロゴ右側にシンボルである星形をレイアウトしたデザインとなっています。
「CupStar」「カップスター」の文字は発売当時のものを採用し、ロングセラーブランドとしての分かりやすさと安心感のあるデザインに。パッケージにはシズル(調理写真)や商品のリニューアルポイントを配置して目線を誘導しています。
ロゴデザインのリニューアルに対する考え方
リニューアルの狙い
「進化し続ける」ために息の長い商品のロゴを刷新
解決策
解決策となる キーコンセプト と デザインコンセプト は?
- ① 1975年誕生のロングセラーブランドを活かす
→ ロゴタイプは発売当時のデザインを採用 - ② より目に留まりやすいデザインに
→ 星形のシンボルマークを作成 - ③ 進化し続けるブランドであることを伝える
→ 星形の下に調理写真や変更ポイントを配置する - ④ 店頭で映えるデザインとする
→ 「CupStar」の文字と星形を一体化
完成したロゴ
ロングセラーブランドであるデザイン性を保つと同時に、「進化し続ける」という新規性の両立を図ることが重要でした。「CupStar」の文字と、星型という幾何学模様を組み合わせることで、2つのコンセプトメッセジを融合したロゴデザインとなっています。
制作
デザイン会社|大日本印刷 AD|川口雅高 D|古賀龍平
ロゴとパッケージの変遷
1975年発売時のロゴ
2012年リニューアル時のロゴ
2017年版のロゴ
2012年10月のリニューアル後も「カップスター」の文字を星形の外に移すなど細かい変更を行っています。「カップスター」シリーズの新製品には、ロゴのフォルムを踏襲しながら、製品を特徴付けるカラーなどでバリエーションを展開しています。
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