カップヌードル低カロリー版がレトロゲーム風のロゴを採用した理由
ロゴには理由があります。
日ごろ、親しんでいる商品やサービスを象徴するロゴ。そのデザインビジュアルはただ感性にもとづいて制作されているわけではありません。ロジカルに組み上げられたものなんです。必ず「誰に対し、どのような目的でデザインしている」という論理的な狙いがあります。
そんなロゴデザインのロジック(狙いと解決策)について取り上げたいと思います。
第4回は、日清食品の低カロリー食品『カップヌードル ナイス』。アラフォー世代には懐かしい、8bitゲーム風のロゴはどんな狙いでデザインされているのでしょうか?
今回の事例|日清食品『カップヌードル ナイス』のロゴデザイン
- ターゲットの設定|体型が気になりはじめたアラフォー男性
- ブランディング展開|ロゴ → テレビCM、Web
- 制作|D: 山本宏紀(日清食品HDデザインルーム)
ヘルス&ウェルネス商品特有の「味の薄さ」などのマイナスイメージを払拭する商品として、「カップヌードル」よりこってり濃厚なのに、脂質 50%オフ、糖質 40%オフ、カロリー 178kcal の全く新しい『カップヌードルナイス』が開発・発売されました。
ターゲットは体型の変化が気になりはじめたアラフォー男性。この世代が原体験に持つ、昔懐かしいTVゲームをイメージしたパッケージデザインを採用し、親しみやすさを目指しました。お酒を飲んだ後でも、この商品なら罪悪感なく食べられることを訴求し、「罪悪感ないス!」というプロモーションコピーでCM展開を行っています。
ロゴデザインに対する考え方
ロゴの狙い
アラフォーの男性が愛着を感じるようにしたい
解決策
解決策となる キーコンセプト と デザインコンセプト は?
- ① ターゲットが目を引くように
→ 昔懐かしい「TV ゲームの画面」のイメージ - ② 低カロリー食品の「味の薄さ」を感じさせない
→ あたたかみのある背景色で「おいしさ」を訴求 - ③ 「カップヌードル」ブランドと一目で分かる
→ 「カップヌードル」ブランドらしいロゴに
完成したロゴ
ターゲットの世代が少年期に親しんだ「TVゲーム画面」の8ビット調の文字や原色の色使いを採用。また、商品パッケージを見ると、あたたかみのある背景色で「おいしさ」を感じられるようになっています。ユニークなだけでなく、「カップヌードル」ブランドであることがきちんと分かるロゴです。
ポスターの展開例
お酒を飲んだ後でも、この商品なら罪悪感なく食べられることを訴求した「罪悪感ないス!」というキャッチコピーを使用。この印象的なキャッチコピーが目立つデザインとなっています。
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