ちょっと聞きなれない魚「ティラピア」を家族に食べさせた結果

コストコで販売されている、冷凍魚の人気アイテム『ティラピア』。ティラピアは、アフリカと中近東が原産の淡水魚。聞きなれない名前ですが、第二次世界大戦後の日本では貴重なタンパク源として注目されていました。ティラピアの仲間は観賞魚としても流通していますが、食用として普及したのは「ナイルティラピア」と呼ばれる種。「イズミダイ」「チカダイ」という呼称で流通していました。

1960年代、タイ王国の食糧事情が難しいことを知った当時の今上天皇がこのティラピアを50匹贈り、養殖を提案。現在では広く食されています。

第二次世界大戦後から日本にあったなんて、以前食べてみた『パンガシウス』(食用ナマズ)と比べると身近に感じられます。聞き慣れないけど、食べ慣れていないわけじゃないのかも。この冷凍切り身が美味しいのかどうか、家族(38歳夫・4歳長男・2歳次男)を実験台に、検証してみました。

 

個装パッケージから漂う、川のオーラ

外装パッケージを開けると、中には長さ約20cm〜22cm程度のティラピアの切り身が7枚入っていました。パッケージ裏にあるとおり、冷蔵庫で8〜10時間かけて解凍してみます。

解凍中ずっと感じていたのですが、ティラピアの解凍を初めてから、冷蔵庫の中が魚臭くなったような気がします。調理前、調理台に置いている間も、キッチンに魚の臭いが立ち込めています。ネットでは「臭みもなくおいしい」と言われているし、まさか…いや、でも…。戸惑いながら鼻を近づけると、個包装のパッケージから川魚らしい生臭い臭いがしています。

こちら、解凍後のティラピアです。骨はなく、身はしっかりとした弾力で、厚みがあります。そして、意外なことにこの状態の切り身からは臭いがしませんでした。パッケージから臭ったのは、加工の際に付着した魚の臭いなのかもしれません。

身の厚さが分かりやすいよう、5つに切り分けてみました。「イズミダイ」という名前で鯛の代用魚として流通していただけあって、見た目は確かに鯛っぽいかも。ここでも、臭みは感じません。解凍中に感じたあの臭いは何だったのでしょうか。

今回は味の検証なので、シンプルにソテーしてみました。しっかり小麦粉の衣をつけて、表面をカリッと焼いていきます。

焼きあがったものが、こちら。表面はカリッとしているんですが、中はフワフワ! 味も淡白で、カジキマグロのソテーのような感じです。

生パンガシウスを気に入っている夫は、かなり前のめりに試食の手を伸ばします。「うまいじゃん! 川魚、悪くないね!」と言っていますが…「ウッ! これ、味の底は泥臭いな!」と、食べてる途中からしかめっ面になってしまいました。

このティラピア、最初のうちは特に臭いを感じないのですが、噛むうちに、川の水草のような臭いがしてくるのが気になります。泥臭いというほどではないけれど、金魚鉢を覗きこんだ時のような臭いです。

あんまり臭いが気になるので、醤油をかけてみました。高級割烹用醤油『本膳』なら美味しくなるかも?と淡い期待をしましたが、『本膳』でも打ち勝てない臭さがあります。臭いは気になりますが、表面のカリッと焼けている部分は香ばしく、臭いがなくて美味しいです。もっと薄くしてからソテーすればよかったのかもしれません。

大人は「川の臭いがするぅ〜」と苦しんでいましたが、子供2人は手づかみでパクパクと食べていました。2人とも鶏肉だと勘違いしているようで「お肉ふわふわ〜。もっとちょうだい!」(4歳)、「とりのからあげ!好き!」(2歳)と奪い合うようにして食べています。

ティラピアの臭いについては、ネットでも「まったく臭くない」「臭くて困ってる」など意見が分かれています。鶏胸肉のような食感は悪くないと思うので、購入後は美味しく食べる方法を探ってみると楽しそうです。