スーファミ世代に青汁をアピールするための斬新なアプローチとは?

あのWebサイトにはどんな狙いがある?

Webサイトを通じた広報活動において、高い宣伝効果を生み出すには、コンセプトとデザインを的確に結び付けて、情報が整理されたコンテンツを提供する必要があります。効果を上げている Webサイトはロジカルな思考にもとづいて制作されているんです。

そんな Webデザインのロジック(狙いと解決策)について、実例をもとにご紹介したいと思います。

第2回は、株式会社アドプールドが運営する青汁比較サイト「なるほど青汁」の認知度向上を狙った『青汁サウンドノベル 緑葉館の夜』プロモーションを行ううえで競合が多い場合、ストレートなアプローチでは目立つことができません。その考えのもと生まれた斬新な発想とは?

今回のケーススタディ|青汁サウンドノベル 緑葉館の夜

  • Webサイト(外部リンク)
  • ターゲットの設定|SNSで面白いものを共有してくれる20〜30代のユーザー層。スーパーファミコン世代。
  • 制作|デザイン会社:バーグハンバーグバーグ P:菅野寿郎 CD:山口むつお シナリオライター:ダ・ヴィンチ・恐山 D+エンジニア:持永孝裕

健康の維持には「青汁」という選択肢があることを啓蒙するプロモーションサイト。青汁比較サイト「なるほど青汁」の認知度向上を図るために制作されました。青汁といえば定番の健康食品。ストレートにプロモーションしても、数多ある青汁のサイトの中で目立たせることはできないと判断。「ノベルゲームで遊べたらどうか」という発想のもと、ゲーム中の選択を間違えるとプレイヤーは無理やり青汁の広告を聞かされたうえで死亡してしまう、というストーリーに仕立て上げました。「選択を間違えたときに広告を見せる」という点が、ユーザーがツッコミを入れたくなるポイントとなり、SNS上での話題性を高めています。

サイトデザインに対する考え方

Webサイトのねらい

ノベルゲーム仕立てで青汁比較サイトの認知度向上

解決策

解決策となる キーコンセプト と デザインコンセプト は?

  • ① ユーザーに嫌がられない、面白いと思える広告に
    本気で作り込んだ Web デザインとのギャップを
  • ② SNSでみんなに教えたくなる要素を詰め込むこと
    スマホでキャプチャーを取りやすい構成に
  • ③ スーパーファミコン世代に「懐かしさ」を
    16bit っぽいゲームのグラフィックにする
  • ④ 青汁比較サイト「なるほど青汁」の認知度向上
    選択を間違えたときに広告を見せる

公開サイト例

▲トップページからノベルゲーム仕立てになっていて、クリックするとストーリーが展開。BGMや効果音も流れ、ゲームとして作り込まれています。

▲ウィンドウをクリックすると、ノベルゲームのように画面が展開していく。16bitゲームっぽいデザイン(シルエットが水色ではなく青汁色)。

▲二択の選択肢を間違えると、青汁の効能についての長い説明文が現れ、死亡してしまう。ネガティブで強引な展開が逆に話題に。

▲ゲームのクリア画面とバッドエンドの画面。いずれにしても青汁の説明を楽しみながら読むことができます。「なるほど青汁」への誘導は、トップページおよびクリアしたときの画面に用意されています。

あの有名なWebサイトのロジック事例を集めました!

Webサイトをロジカルに分析すれば、デザインや構成のセンスは自然と身に付く!

本書は、デザインとその論理的なアプローチ方法をテーマに掲げた、これまでにないデザイン見本帳です。また、「Webデザインの見本帳」であると同時に「Webサイトの企画・コンセプト実例集」でもあります。

何気なく閲覧しているWebサイトのねらい、コンセプト、プランの立て方を制作側から聞き取り、クリエイターやクライアントのイメージするところをロジカルに紹介しています。

クリエイターはもちろん、専門職でないクライアント側の人にとっても参考になる内容です。イメージの具体化、企画の立案、プレゼンの資料制作などで悩んだ際のヒントとしてどうぞ。