充電池はどれを買うのがお得かガチ検証した 〜 単3形2000mAh級ニッケル水素充電池編

充電池まとめ

最後に充電池13製品のまとめと皮むき検証の結果についてお伝えしよう。

皮むき検証とは、充電池表面のラベルを剥き、おおよその製造メーカーを分類するものだ。電解物質の検証はできずとも、充電池のガワの作りを見ることである程度のグループ分けが可能となる。化学材料の配合調整は簡単に変更できるが、専用 の金型設備が必要な板金部品は、OEM品でも簡単には変更できないためだ。 似た作りの充電池は同系列メーカーで製造された可能性が高いと言えるだろう。主な検証ポイントは、金属ケースの寸法(高さ・直径)、+電極の横の通気穴、 金属ケースかしめの形状、マイナス電極のザラ目加工などだ。

ざっと一通り分類してみると以下のグループに分けられた。

  • 【A】富士通タイプ1
  • 【B】富士通タイプ2
  • 【C】中国製造のEVOLTA
  • 【D】東芝タイプ
  • 【E】GPタイプ
  • 【F】ソニー
  • 【G】日立マクセル

ほぼ個々それぞれの構造だったが、Amazonベーシックの2モデルは富士通製に似ていた。かしめ部と通気口の構造が、高容量モデルは【A】富士通タイプ1に、スタンダードモデルは【B】富士通タイプ2に酷似しており、製造元が同じであるように見えた。

eneloop pro(パナソニック)

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1.0V終止電圧までの時間はエントリー中3位で、1Ahあたりの価格(124.2円/Ah)も中堅と悪くない成績だ。さすがハイエンドモデル。 容量が大きい分重量が30g越えで、エントリー中もっとも重い。値段はともかく、性能を重視するならオススメの一品だ。

eneloop スタンダードモデル(パナソニック)

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eneloop(エネループ)といえば三洋電機が開発した日本製充電池の定番。パナソニックとの統合から数年経ち、市場のバランスが変化したのか、1Ahあたりの価格が136.2円/Ah(11位)と、いつの間にか割安価格帯から後退してしまっているのが気になる。

充電式EVOKTA ハイエンドモデル(パナソニック)

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1.0V終止電圧までの時間がエントリー中2位で、残念ながら中国製充電池に及ばなかった。 皮むき検証では、かしめ部分の形状が富士通製に酷似しており、中身は電解質のレシピがちょっと違う同じ物? といった感じがしないでもない。

充電式EVOLTA(パナソニック)

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スタンダード版の充電式EVOLTAは中国製品のOEMであるようだ。 今回検証した個体については、実測容量が公称容量より5%近く上回っていた。コスパは124.9円/Ahと安価系充電池としてはいまひとつ。もっとも1,800回充電という公称寿命を考慮すればお得かもしれないが。

Amazonベーシック 高容量充電式ニッケル水素電池

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かしめ部の形状が富士通製充電池に酷似しており、中身は富士通製である可能性がある。1Ahあたりの価格は106.7円とかなり安い。さすがはAmazonベーシックブランドだけあり、有り体に言えば卒のない作り、というところだろう。

Amazonベーシック 充電式ニッケル水素電池

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上記Amazonベーシックブランド充電池の低容量モデル。やはり高容量モデルと同様、富士通の充電池に酷似している。 販売価格、1Ahあたりの価格ともに安く、おすすめ充電池のひとつだ。

サイクルエナジー【ゴールド】(ソニー)

安いわけでもなく、持続力があるわけでもなく、どこを褒めて良いか判らない感じの製品だ。ちなみに、ソニーの充電池は数年前まで三洋電機のOEMだったようだが、昨今のものは中国製OEMになったようだ。

FUJITSU 充電式電池 高容量タイプ(富士通)

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Amazonベーシックと同じ充電池説のある、富士通製2,400mAh充電池……なのだが、1Ahあたりの価格が約40円も高いという結果に。同じ電池なのであればAmazonベーシックブランドのほうを選ぶほうがお得だろう。

FUJITSU 充電式電池 スタンダードタイプ(富士通)

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酷似しているAmazonベーシック低容量モデルと比べると、販売価格が高価なだけあり分が悪い。1Ahあたりの価格は176.8円/Ahとエントリー中最下位となり、かなりお得度の低い充電池という結果になった。

充電式IMPULSE(東芝)

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可もなく不可もなく、といったところだろうか。実測容量では上位グループに属するものの、公称容量より5%ほど少ない結果に。(不明となっている)製造年月日がやや古かったという可能性も考えられる。

エコフル(日立マクセル)

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実測容量と公称容量がバッチリ合ってしまった(良いこと)。期待した性能どおりの充電池ということで、ある意味、損をしない一品といえる。また1Ahあたりの価格は112.4/Ah円とメーカーブランド品としてはかなり上位に食い込んできた。

⑫ GP2700(GPI International)

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持続時間がエントリー中最長だったが、60分後電圧が1.166Vと低めなところが気になる。 加えて、寿命の充電回数がカタログに明記されていな点も……。公称容量と実測容量の差は10%近い大幅なマイナスで、個体性能差がかなりばらついているのかもしれない。

⑬ GoldenPower(GoldenPower工業)

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実測容量が公称値より5.5%マイナスで、おそらく個体差がかなりあるのではないかと思わせる結果に。ただ、1Ahあたり100.5円/Ahとコスパは最強。秋葉原へお越しの際はおみやげとして買ってもいいかもしれない。何のためのおみやげなのかはわからないが。

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