ダイソーの新型「200円iPhone用ライトニングケーブル」をガチ検証してみた結果

ダイソーで販売されている『ライトニング端子 充電リールケーブル』はご存じでしょうか。

200円で買えるiPhone用ケーブルのリールタイプです。以前にも紹介したことがありますが、いつの間にかモデルチェンジしていました。デザインもけっこう変わっているので、ガチ検証してみることにしました。(編集部)

検証人|ハンダマスターかしま

ダイソー|ライトニング端子 充電リールケーブル|216円

以前のリールタイプとはかなりデザインが異なっており、作りがしっかりした印象を受ける。

コネクタ部分

データ通信には使えない。充電専用ケーブルだ。

ケーブル断面(写真下は参考用Apple純正品)

仕様・検証まとめ

  • 価格 216円(税込)
  • 型番 KO-17P-10
  • 製造国 中国
  • 仕様 リール 70cm
  • 用途 充電 ◯ 通信 ✕
  • 抵抗値 192.4mΩ
  • 電圧降下V(2A) 0.33V
  • 電源芯線 0.09mmΦ × 43本
  • シールド なし

他製品との比較

過去に検証した Apple純正品を含め、抵抗値の低い順に並べたもの。検証した製品のケーブル長が異なるため比較には向かないので、あくまでも参考用として。

総合評価 ★★☆☆☆

ダイソーの200円『ライトニング端子 充電リールケーブル』は “価格に対して十分な性能” のライトニングケーブルだろう。

ただし、購入する場合は次の点に注意したい。①データ通信に使えない。②片面端子(ライトニング端子は通常両面仕様)でやや不便。③非ライセンス品(MFi認証は未取得)のため iOSアップデートによって使えなくなる可能性がある。いくつかマイナス条件があるため、総合評価では★2つとした。断線の耐久性もやや気にはなる。なお、データ通信に使えないことをパッケージにわかりやすく記載していない点は不親切だろう。

今回検証したものはリール方式 70cmのケーブルで抵抗値が 192.4mΩ。旧モデルの 384.8mΩと比べるとかなり改善されている。設計のテコ入れでもあったのか、芯線が強化されたこともあり、Apple純正品とほぼ同等の数値となった。

216円(税込)という激安ライトニングケーブルとしては十分な性能といえる。先に挙げたマイナス条件を踏まえたうえでなら、1本調達しておくことは損にはならないのではないだろうか。

検証項目について

検証① 抵抗の低さ

抵抗が低いほど電流が流れやすい。つまり低抵抗のケーブルならば安定して短時間で充電できるわけだ。充電用ケーブルではもっとも重要な指標となる。抵抗値が低ければロスなく電力を供給でき、大容量機器でも安定して急速充電できる。2.0A充電など高電流対応機器が登場しても、ケーブルの抵抗が高ければ、本来のメリットは薄まってしまう。

検証② 2A充電時の電圧降下V

ケーブルの抵抗によって発生する電圧降下。ここでは2A充電時のロスを抵抗値から算出している。

検証③ 充電専用かどうか

充電専用のケーブルはデータ線が接続されていない。PCと接続してデータをやり取りするような用途には使えないことに注意してほしい。

検証④ シールドの有無

通信ケーブルを覆ってノイズを遮断するための機構。充電性能には関係がないが、通信ケーブルとしても使用するならばあったほうがよいだろう。

抵抗の測り方

各ケーブルのライトニングコネクタ側の分解後に+-銅線先端をショート。USB A端子側の電源ピン間にAgilent社34461A 6.5桁デジタルマルチメーターを接続し、4点抵抗測定を行なった。

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電圧降下Vの計算

ケーブルの抵抗値と電流をオームの法則(V=I・R)に当てはめると、電圧降下(V)が算出できる。例として、ケーブルの抵抗値が200mΩで、10W充電(2.0Aするケースを想定してみよう。この場合、ケーブル(抵抗の両端)に発生する電圧降下は、2.0[I]×0.2[R]=0.4[V] となる。なお、エネルギーロスについては、2.0[I]^2×0.2[R]=0.8[W] が熱となって消えることになる。

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※本企画における検証方法、結果の評価は編集部独自の基準によるものです。検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、商品購入前のひとつの検討材料としていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。