【おすすめWebマンガ】深淵の空(尹仁完・金宣希)〜 舞台は穴に飲まれたソウル……暗闇描写が恐怖を倍増させる深淵サバイバル
日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!
原作:尹仁完 作画:金宣希『深淵の空』 クラブサンデー連載
シンクホールと呼ばれる現象をご存知だろうか? 地上に突然ぽっかりと穴が開く現象だ。なかには深さが数百メートルに達する穴まであるとか。ここまでくると、まるで地獄の門が開いたかのようである。
原因は主に地盤の侵食とされている。特に石灰岩が構成要素となっている地層で起こりやすく、近年アメリカや中国を中心に世界各国で多発しているという。異常気象のせいなのか、なんとも恐ろしい話だ。
また、これとは別に地下のずさんな工事といった人為的な要因から発生するシンクホールもある。お隣、韓国ではこれが社会問題にもなっているのだとか。今回紹介する『深淵の空』はそんな韓国のシンクホールを舞台とした作品だ。原作は日本の漫画誌でも数多くの連載経験がある尹仁完で、作画は「月刊サンデーGX」で連載中の『WESTWOOD VIBRATO』で尹とコンビを組む金宣希が担当している。
真っ暗闇、瓦礫のなかで目覚めた主人公。そこは地獄さながらのソウルであった。空にはまったく光は見えず、一体何が起こったのかさっぱりわからない。そんななか突然、天から降ってくるバス。もしかしてここは街そのものを飲み込んだ巨大な穴の中なのだろうか。出会った少女とともに深淵で生き残るためのサバイバルが始まる……。
こちらでは連載が始まったばかりだが、実は本編はすでに30話を超えて継続中の人気作。絵柄はどことなく同じサバイバル漫画の『ドラゴンヘッド』に似ているが、画面の約半分は真っ暗という演出がとても斬新な作品だ。醸し出されるのは異様な緊張感。光を求めて彷徨う雰囲気が実に怖く、絶望感が伝わってくることだろう。
おかしくなった人間たちに暗闇で人を襲う虫の存在など、ホラー&サイコスリラー要素もあってストーリー展開も飽きさせない。深淵を覗いてしまったが最後、その魅力に取り憑かれてしまうかも。ただし、いつどこで起こるかわからないのがシンクホール。深淵もまたこちらを覗いているのは忘れないように。次に穴に落ちるのはアナタかもしれない!?
『深淵の空』掲載情報
・作者:原作 尹仁完 作画 金宣希
・掲載メディア:クラブサンデー