【おすすめWebマンガ】夢現〜ユメウツツ〜(もくず)〜 一発逆転を狙う非リア充たち、本当に勝てるのか?

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日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!

もくず『夢現〜ユメウツツ〜』 ニコニコ静画連載

知力、体力、時の運……いや、高校生クイズ選手権じゃない。スタミナ、パワー、スピードなどなど。ゲームキャラクターの能力を示すステータスだ。無難に平均値にするか、攻略情報を参考にするか、それとも極端にピーキーなキャラを目指すか。悩む。ゲーマーなら何度も経験したことがあるだろう。もくずが描く『夢現〜ユメウツツ〜』はそんなステ振りがもたらす悲喜劇である。

根暗のデブ、暑苦しい熱血漢、勘違いのナルシスト、八方美人のキョロ充の高校生4人組。それぞれ見た目にも人格に難があり、クラスの輪に入れなかった者同士、自然とグループを形成していた。ある日、無造作に手にしたゲームを起動し、説明書も読まずにステータスを振り分けた彼ら。それが現実世界を舞台にした体感型シミュレーション『夢現』の始まりであったのだ。

そう、彼らはステータスどおりの能力を得ていた。ゲームの期間は3ヶ月。日常の出来事がイベントとして扱われ、その対応次第でイベントポイント“EP”を得ることができる。EPを最初に100貯めたプレイヤーが勝者となり、勝者のみゲーム内で得た能力を現実に引き継げるというルールだ。

元の自分はすべてが平均以下という残念な能力値。非リア充な冴えない連中であったため、全員俄然やる気を出すわけだが、勝者は一人だけというのが怖いところ。能力に依存するほどヒビが入る友情、大きく変わっていく運命。過ぎた力は身を滅ぼす、という言葉が彼らに重くのしかかっていく。

全体的にギャグテイストだが時にシリアス。ダメ人間エピソードが実にウマく、心情への共感度が非常に高い作品だ。彼らがこれからなにを得てなにを失うのか? 夢とも現実とも区別ができない世界に釘付けになることだろう。

 

『夢現〜ユメウツツ〜』掲載情報

・作者:もくず
・掲載メディア:ニコニコ静画

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