世界がおどろいた「音波消火器」はわりとお安く作れる!(ただし卓上サイズに限る)

卓上音波消火器を作ってみた

さて音波消火器の話に戻りましょう。これ自体は別に難しい構造ではありません。元動画で見て分かるとおり、強力なスピーカーと筒を組み合わせただけのモノで、これに電源をつなげば完成です。調べたところでは元ネタの動画では600Wのスピーカーを使用しているようです。

600Wといえば家庭用の電子レンジとほぼ同じ出力で、いかに強力な音を出してるか分かりますね。

スピーカーに付いてる筒は共振を使って音を強めているのかと思いますが、低周波の場合はパワーのゴリ押しだけでも十分効果があるので共振させているのか、ただ音を収束させるためなのかはちょっと不明です。

なお、さきほど実験などで音を使って火を消すのは珍しくないと書きましたが、実験レベルでなくて実際に機能する消火器を作り上げたのはさすがです。

今回筆者が製作した音波消火器、消火の機能を再現するだけならば元動画と大きさまで同じにする必要はなさそうということで、スケールダウンして小型の卓上サイズで製作してみました。

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まず消火器本体ですが、スピーカーには直径7cm、8Ω10Wのものを使い、共振させる筒には水道管用の塩ビパイプ(VU50)をつなげてあります。

また音を収束させるために自転車用の警笛(100円ショップで購入)を加工して作ったホーンを先端に取り付けました。共振周波数はほぼちょうど300Hzで、共振のパターンは学校で習う気柱共鳴ではなく、より周波数の低いヘルムホルツ共鳴を利用しています。

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次に駆動用の回路。音の出力や周波数を変えられるように電源は秋月電子の可変スイッチング電源キット、インバータには可変周波数のハーフブリッジ駆動ICを使ってパワーMOS-FET2個によるハーフブリッジを組んであります。

今回はシンプルな装置なので、秋葉原とその近くの100円ショップやホームセンターですべての材料が揃いました。費用は手持ちの部材もわりと使ったところ、4,500円ほどに。消火器本体部だけなら1,000円程度で調達可能です。

ちなみに電源の電圧は最低12Vあれば十分に動作します。装置をまとめてバッテリー駆動にすればモバイルでの運用も可能になるでしょう。

(今回は製作の詳細について省略していますが、気になる方がいるようでしたら、また改めて記事化しようと思います!)

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