【Web漫画】地球空洞説を取り入れた異色にして王道のSF冒険活劇! 『ファンタスティックワールド』が超ダイナミックで面白え……
日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!
ひらのりょう『ファンタスティックワールド』 トーチWeb連載
ジュール・ヴェルヌの古典冒険SF『地底旅行』しかり、オカルティズムで言う地底の理想郷アガルタしかり、地球内部の空間に異文明があるとする「地球空洞説」は、古来人々のロマンと奇想を喚起し続けてきたキーワード。舞台設定としては超古典に属し、漫画の題材にするには壮大すぎて存外難しいテーマと思われますが、そんな地球空洞説を見事に取り入れた漫画がトーチで連載しております。
謎の巨獣が徘徊する森の深くに暮らす少年ビコは、ある日彼を「この世界の脅威になる」と殺しに来た謎の生物に遭遇する。なんとか撃退すると、その生物の頭から射出された黒い不定形の物体が突如巨大化し、ビコを咀嚼してその遺伝子情報を取り込み歯のようなボディに変身! フレンドリーなその生物に歯ちゃんと名付け、ビコは森の外の世界「シャンバラ」へ旅に出ることに。
のっけから形容しがたい変な生き物ばかり登場して上手く説明ができず恐縮ですが、人ならざるものが数多く暮らすその異世界は、地球空洞説の古典のひとつ、ウィリス・ジョージ・エマーソンの小説『煙の神、ザ・スモーキー・ゴッド』(1908年)に材を取った、地球内部の異文明という舞台設定です。
幻想的かつグロテスクな美術と動感あふれるダイナミックな描線で繰り広げられるのは、ビコと歯ちゃんが気ままな旅の途上で出会う様々な異種族との交流や迫力のバトル。緑色の肌をした人々、自我を認められず過酷な労働を課せられた虫型の四足歩行ロボット、植物性の筋肉を持つ生命体、巨人の各身体部位が個体化した一族、肉体をサイボーグ化した身体変工主義部族といった、突飛でキュートな人外たちがワラワラ出てきます。
キャラだけでなく世界観も奇妙奇天烈。水資源の不足ゆえに生まれた水への信仰と水利システム、資源争いで過去起こった地球表面の外皮世界との大戦争、それによる荒廃で無政府化した世界に暗躍する謎の組織・水質管理局……徐々に明かされる地球内部世界シャンバラの設定もイメージ豊かでよく練られており、今どき珍しい骨太な異世界ファンタジーの読み味です。
ひょうきんなキャラクターたちと予想のつかないシュールなイメージの広がりが、ファンタジーの骨太感の一方でエンタメの軽妙さも両立させているのがスゴいところ。濃密なアングラセンスと疾走感ある読み味も得難い、地球空洞説への飽くなきロマンをバリバリ満足させてくれる注目作です。ぜひ一度読んでみてくだされ!
『ファンタスティックワールド』掲載情報
・作者:ひらのりょう
・掲載メディア:トーチWeb
最強モバイルバッテリー特別プレゼント!!
ただいま当サイトmitok(ミトク)ではサイト開設半年生存感謝企画として、最強モバイルバッテリー『cheero Power Plus 3』が5名様に当たるプレゼントキャンペーンを実施中です! 秋の行楽シーズン、遠出に欠かせないバッテリーをぜひゲットしてください!!(応募期間:2015年8月13日〜同8月31日)