【コラム】その付き合い、本当に必要? 「誘いを断る勇気」が大事な理由
FacebookやTwitterを見ると、知り合いたちが食事会などの楽しそうな写真をこぞってアップしています。自分も参加しとけばよかったかな……なんてちょっと寂しい気分になったり。でも、高橋ひでつう氏はいまの時代、「誘いを断る勇気を持つ」ことが大事と説きます。
SNSのペースに振り回されがちな昨今、どんな誘い(人)を選ぶかで、人生が変わってくるのだそう。一体どういうことなんでしょう?
<プロフィール:高橋ひでつう>
ひでつうゼミ主宰。元・京都精華大学特任准教授、神戸市任命神戸創生プロジェクトメンバー、一般社団法人日本ホームパーティー協会代表理事、DJ。雑誌編集者、音楽プロデューサー等を経て、現在は各地の学校で教鞭をとりつつ、コンサルティング会社を経営。またクリエイティブ&DJユニット「NORISHIROCKS」率い活動中。公式Webサイトはこちら。
誘われたとき加わらない勇気を持とう
あんまり気が乗らないイベントや飲み会の誘いは勇気を持って断ってみましょう。すべての付き合いに対応できるほど、あなたの人生は悠長に作られていません。
たとえ後日、フェイスブックに「すごい楽しかったー」という投稿がアップされたとしても、後悔しなくて大丈夫です。イベントなんてだいたい楽しいものです。楽しくない方がどうかしています。
そこにあえて加わらず、自分が思うままに、自分だけの時間を過ごしてみること。
連投されるフェイスブックのイベント招待の数が、あなたの信用を表すわけではありません。
もし、どこかの企業や人物が「一緒におもしろいことやりましょう」と連絡してきたときにも、「何かになりたい若者」を食い物にしようとしている輩や、使い捨ての鉄砲玉としてあなたを使おうとしている輩が少なからずいることを知っておいて、慎重に行動すべきです。
まず大前提として、本当におもしろいことができる人は「一緒に」やらなくてもおもしろいんです。ひとりでも十分に芸が立っています。「一緒にやりましょう」というのは、だいたいにして「ひとりだとリスクがあるから、リスク回避のためにシールドになってください」というものです。
たとえば、バンドマンがライブハウスを借りてライブをする。ソロでも人気があるけど、もっとおもしろくしたいから一緒にやろうよ、という場合と、ソロだと会場費を支払うことができないから一緒にやろうよ、だとまったく違います。そういう人と一緒に組んでも、自分の力が薄められていくだけです。
どんな人について行くべきか?
また、誰かに学ぼうとするならば、その師匠・先生がどんなタイプなのかしっかり見極めることが大切です。先生にはパンダ、オオカミ、負け犬の3つのタイプがあります。
パンダタイプ
ギョーカイでも有名な感じの、成功している先生です。成功しているから先生という職業も趣味でやっています。パンダはカワイイ。パンダはとてもよいです。ところがパンダはパンダです。生まれながらにパンダです。クマは途中からパンダになれません。だからあまり參考にはならないのがパンダです。ただ、その世界を知るための刺激にはなります。
オオカミタイプ
世間の知名度はないけれど、教育者というプライドを持っていて、テクニックがすごかったり、人間性が豊かだったり、尊敬できる対象です。
負け犬タイプ
成功できなかったから先生になった、食えなかったから先生になる人もいます。日本ではこのパターンが非常に多いです。自分は成功したことがないのに、成功するクリエイターを育てようとしている。大物アーティストとのツーショット写真を見せてきたら要注意。「カネは後からついてくる」っていう言葉が好きですが、だいたいついて来ません。こういう先生はタダ働きさせるのも大好きです。
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パンダ先生から刺激を受けて、オオカミ先生からテクニックを教えてもらって、負け犬タイプには関わらないのが一番です。
ものすごくシンプルに言うと、将来の自分よりも貧乏そうな師匠を選んだ段階で、それ以上は絶対にいけないです。見たこともない世界を案内できる人はいません。
ひとりだと不安になるから誘われたい、誘ってもらわないと寂しい、カッコ悪い。本当にそうでしょうか。そこで「かりそめの」時間を過ごすことで、適当な先生について行くことで、人生の主導権はどんどん失われていきます。
「誰かいない?」という存在になるより、「あなたにいて欲しい」という存在を目指してみましょう。そのためにはまず、誘われたときに加わらない勇気を持って、自分が思うままに、自分だけの時間を過ごしてみることです。
(高橋ひでつう)
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※本記事は『人生に主導権を取り戻す90分の授業』から一部を抜粋したものです。