【Web漫画】人気作『つまさきおとしと私』は、病みヒロイン好き必読の人間観察コメディ!
日々更新されるWebマンガ。大手出版社も本腰を入れ始め、その量たるやハンパな数ではなくなってきた。いくら我らがマンガ大好きジャパニーズだとはいえ、すべてを追いかけるには時間がいくらあっても足りないことだろう。積んどくことができない媒体なのも悩ましいところ。そこでmitokでは絶対に外せない注目作品を定期的にご紹介。Webマンガ、これを追うべし!
ツナミノユウ『つまさきおとしと私』 ねとらぼ連載
「ニュースサイトによくあるちょっとしたオマケ漫画」らしい、日常のあるあるネタショートギャグ……と思わせて、そこに病気入ったストーカー気質の女の子とのディープなラブコメ要素をぶちこんで話題を呼んだ異色作。それが漫画誌・ITANとニュースサイト・ねとらぼのコラボ作品となる本作です!
糸のこ片手に街を徘徊し、人間の靴の余ったつまさきを無差別に切り落とすミニ妖怪・つまさきおとしは、とある女子中学生・長妻咲と出会う。人々のつまさきを切る理由を聞かれて「別に自然界代表みたいなポジションで現代社会の風刺とかをしてるわけじゃっ」とテンパったのが運の尽き。咲は彼のつまさきおとしに度々「現代人の愚かポイントや心のスキの指摘」を勝手に見出して、何かとつきまとうようになり……!?
「笑いを咳払いでごまかす人」「美容室で寝たフリする人」など、日常のひだに入り込む「街で見かけるこんな人」的な人間観察ネタで1話2ページのエピソードを立てるショートコメディ。それをメインキャラふたりの「人の話を聞かない人」と「押しに弱い人」のテンポがズレた掛け合いで引っ張っていく……ってところまでは王道のスタイルかも。
そこにひと味加えるのが、他人から見えない妖怪に愛着して怒涛の勢いでまくしたて、スゴい独り言で周囲を困惑させるうえに当の妖怪にもドン引かれるという二重のレベルでヤバいヒロイン。端的にヤンデレキャラの気持ち良さが徹底されつつ、押される側も徐々に満更でもなくなってきて……という、あるあるネタと同時進行で深化していくふたりぼっちラブコメのアブノーマルなハラハラ感が読ませます。
2ページ単位のショートギャグフォーマットの中で親しみやすい題材とマニアックなセンスを融合させた、軽快なのに技巧的で読み応えもたっぷりな一作。現在は通算100話を超えて最終回間近、追ってなかった人もこのタイミングでぜひ一気読みを!
『つまさきおとしと私』掲載情報
・作者:ツナミノユウ
・掲載メディア:ねとらぼ