【連載】アイドルストーキング“STK”と、ストーカー撃退私設ヒーロー

アイドルファンの鏡? STKハンターSの活躍

さて、ここではストーキングの手法ではなく、オタクの名誉を守るため、そのストーキングをしているオタを特定して、天誅をくわえたオタの話をしたい。

その男、Sはあるアイドルグループのファンだったが、彼女たちにストーキングをして、ネットなどに情報を小出しにしている連中に対して日頃より不満を抱いていた。

ファンのあいだでもストーキングをしているオタは嫌われてはいたものの、ファンなら誰もが気になっている情報を提供していただけに、切るに切れない存在となっていたのだ。

だが、STKの連中がメンバーの家の隣に引っ越したりエグいことをして、彼女が半ばノイローゼになる様子をネットやあるいはファンの噂などで知るうちに、Sは「○○ちゃんを助けなくちゃいけない!」と義憤の念にかられるようになる。

あるとき、ストーキングをしているオタの一人をコンサート会場で見かけたSは、やめろよととがめたところ、何の根拠があるんだよと一蹴されてしまう。

さらに、そのグループが放出した写真にアイドルと男性の相合傘2ショットがあったからさあ大変。その後の発売イベントにはそのアイドルは現れず、数日後にホームページの文章で脱退の旨が知らされる事態に。

こうなると、Sのやることはただ一つ。証拠を押さえることだ。ここに、「アイドルをストーキングする男」をストーキングする男が誕生する。傍から見れば、ストーカーがもう1人増えただけにしか見えないだろうが、ともあれ両者のあいだでは水面下の攻防が展開されることになる。

Sは、最初にそのアイドルの写真を流出させた人間の有力な情報を10万円で買うとオタク仲間に呼びかけて行動開始。数年かけてでも突き止める決意を固めた。集まってきた情報の中を精査し、STKの行動を逐一チェックするなかで様々な証拠をつかんだ。

ついに決行の日、Sはアイドルイベントに馬の面をつけて登場。ほかにもタイガーマスクの仮装などもいたのでギリギリその場に溶け込むと、STKが通りがかるのを待ち受けた。

STKが会場前に現れたその瞬間、証拠になるデータが詰まった携帯を強奪! STKグループに取り押さえられながらも、「お前がやったんだろう! お前がやめさせたんだろう!」と叫びながらボコボコに殴って骨折させて警察の御用に。

「芸能人のストーキングは訴えられないと犯罪にならないがキミは現行犯だ」と警察に叱られ、ケガ(頬骨骨折)をさせられたSTKも訴えるといきまいて、結局罰金刑40万円。10日間留置所に入れられてSは前科持ちになったのだった。

STKはこの事件がキッカケに悪事が露見し居場所が無くなっていったという。

アイドルが男とつきあっていることを許せず暴露するのもあえて言えば義憤だが、アイドルにつきまとうSTKに天誅をくわえるのも義憤。……とか、うまくまとめようと思ったが、まとまるわけないので、そっとここまででペンを置くことにしたい。合掌。

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