賞味期限切れカツ横流し……船場吉兆からマクドナルドまで――2000年からの食品異物混入・偽装ニュースまとめ
2011年から2013年までの主だった食品異物混入・偽装事件
2011年は、東北地方太平洋沖地震の影響で福島県の第一原子力発電所で発生した炉心溶融などの一連の事故で、放射能汚染の危険性と恐怖が日本をおおいました。
それにともない、福島県産の野菜、米、牛などが他県のものに偽装表示される事件が続発。 また、中国産野菜の危険性も大きくクローズアップされ、特に冷凍食品・外食で使用される野菜の産地表示を求める声が高まりました。
また、福島県産米の偽装問題からほかの産地米も新潟産に偽装されていたり、加工米が混入されていたりしたことが発覚。卸会社が解散するなど社会問題化しました。
さらに問題になったのが外食産業の中でも特にホテルチェーン業界です。オマールエビを伊勢海老と偽装したニュースから、ブランド牛、産地偽装、農薬使用の野菜をオーガニックと表記など1チェーン内で何十品目もの偽装が発覚。阪急阪神ホテルズの社長が引責辞任するなどの事態に発展しました。
行政では、加工食品の原産地表示義務が追加され消費者の声に答える形になりました。一方、食品偽装について公益通報制度で通報しても、5年間で改善指示が出された実績がゼロと、その実効性に疑問を投げかけられました。
また、外食メニュー表示に規制が必要か検討を開始。TPP交渉参加が決定し、食の安全性確保に関心が集まりました。次ページはホントにいろいろありながらも今では記憶に薄くなりつつある2014年をおさらいします。
<2011年から2013年までの食品異物混入・偽装の主な出来事>
- 2011年 7月 コシヒカリ偽装販売で逮捕者
- 2011年 9月 シーガイアが44品目、1万食で偽装
- 2012年 1月 食品偽装で通報しても改善指示ゼロが報道される
- 2012年 5月 福島牛の産地偽装疑いで逮捕者
- 2012年 9月 福島産米を長野産に偽装し逮捕者
- 2012年11月 加工食品表示義務が対象拡大
- 2013年 5月 TPP交渉参加。食の安全の議論の声高まる
- 2013年 9月 中国米を国産偽装
- 2013年10月 過去最大の米偽装が発覚。刑事告発で卸会社が解散
- 2013年10月 阪急阪神ホテルズ社長が食品偽装問題で辞任
- 2013年11月 外食メニュー表示に規制を検討
- 2013年11月 椿山荘など19施設70品目偽装。ホテル協会三割で虚偽表示と報告