スチーム出るからパンがおいしく焼けるんでしょ? と知ったか状態だったバルミューダのトースター『BALMUDA The Toaster』。周囲に使ってる人もおらず、話題になる情報といったら、2万円とかすんでしょ? とお値段のことばかり。でも、ようやく使う機会を得て、いろいろナットク。
先に結論を述べますと、パンにこだわる人&お金を注ぐ人、おいしいパンはそれに相応しいトースターで焼いたほうがいいですよ。そりゃ15万台売れるわ。
そもそも『BALMUDA The Toaster』って?
『BALMUDA The Toaster』(以下、BALMUDA)は日本の家電メーカー、バルミューダが製造するトースターです。定価は22,900円(税別)。た、たけぇ……と思うのが普通ですかね。でも、パンを美味しく仕上げるスチームテクノロジー、自動温度制御はダテじゃなかった。
水を入れる! 類を見ない使い方をチェック
ではBALMUDAでパンを焼いてみましょう。金網にパンをセットしたら、
BALMUDAでパンを焼くには、まず付属の計量カップで5cc分の水を専用口に注いでやります。
モード選択ダイヤルで焼きたいパンに応じたモード(トースト / チーズトースト / フランスパン / クロワッサン)を選びます。スチームを使わないクラシックモードの場合は電力を選ぶ仕様ですね。
タイマーダイヤルでトースト時間をセット。するとカチカチカチ……と秒針が進むような音が鳴り出します。これがいい雰囲気。細部までこだわってんな〜。
窓を通じて見える焼きあがるまでの様子がおもしろい! 蒸気に満たされ曇ったり、鎮火したように暗くなったと思ったら、最後は一気に加熱して見る間に焦げ目が付き始めたり。どうやら序盤は蒸気で一気に表面を焼いてパン内部の水分や油脂成分を閉じ込め、以降は温度制御によりじわじわ焼き上げからの仕上げ、みたいですね。
そして焼き上がり!
……というのがBALMUDAのスチーム機能でパンを焼く一連の流れ。では、BALMUDAと安物トースターとではなにが違うのか? 実際にパンを焼いて食べ比べてみました。
BALMUDAで焼くとおいしい時間が長くなる
日ごろ編集部がお世話になっている食パンをBALMUDAと、いつも使っている安物トースター(2,400円で購入)で焼き、食べ比べてみました。
ペリカン の 食パン
東京・浅草にあるペリカンで購入した食パン(1.5斤)。限られた種類のパンを磨き上げる職人気質の老舗ベーカリーですね。シンプルな作りのパンは上品な香りをもち、高密度な仕上がりで食べごたえバツグン。近隣のカフェではペリカンのパンを使ったメニューを提供したりしてますね〜。
▲BALMUDA(左)と安価トースター(右)で焼いた
- BALMUDAはトーストモードで3分、安価トースターは監視しながら2分強ほど焼く
- 表面はどちらもカリカリしているが、中身のアツアツふんわり度はBALMUDA
- 冷めてきてもBALMUDAパンは中身がフカっ、安価トースターは早々に弾力が失われる
CAFE&BAKERY MIYABI の デニッシュ食パン
編集部のご近所、浅草橋にあるミヤビカフェ(CAFE&BAKERY MIYABI、京都で有名なカフェですね)の『デニッシュ食パン』。デニッシュ生地を使った食パンでカロリーが高そうだけど、焼き上がりのサクサクふんわり度と甘みがよくてリピート率高し……。
▲BALMUDA(左)と安価トースター(右)で焼いた
- BALMUDAはトーストモードで3分、安価トースターは監視しながら2分ほど焼く
- 安価〜のほうは弾力が弱く、BALMUDAと比較するとふんわり度の減退がかなり早い
- BALMUDAのほうがカリカリ度、ふんわり度ともに高く、食感にともない満足感が高い
- デニッシュ生地ゆえBALMUDAのクロワッサンモードで焼くのが正解? と思って試すもカリッとせず。正解はトーストモード
金谷ホテルベーカリー の チーズロード
老舗の名ホテル、日光金谷ホテルといえば伝統のパンがめちゃおいしい。編集部のご近所では上野の松坂屋に店舗がありまして、ここの『チーズロード』は絶品。チェダーチーズの入った筒型パンはユニークなルックスもさることながら、何もつけなくてもパクパクいける美味しさは敬服もんです。
▲BALMUDA(左)と安価トースター(右)で焼いた
- BALMUDAはトーストモードで3分、安価トースターは監視しながら2分焼いた
- 焼き上がり直後の食感は大差ないが、安価〜のほうは急速に食感が失われていく
山崎製パン の ダブルソフト
コンビニで手軽に買える山崎製パンの『ダブルソフト』。分厚いのに軽い、弾力のある食感は人気ですね。
▲BALMUDA(左)と安価トースター(右)で焼いた
- BALMUDAはトーストモードで3分、安価トースターは監視しながら2分強焼く
- 焼き上がり直後の食感はどちらも表面カリッと中身ふんわり
- 時間経過後もさほど差はつかず、『ダブルソフト』は安価トースターでもかなりうまく焼けるみたい?
結論:BALMUDAは手間いらずでパン本来の食感を引き出す!
BALMUDAの特徴まとめ
- 中はふんわりあたたかく、表面はめっちゃカリカリに焼きあがる
- 冷えてきてもパンの弾力が失われない
- パンの焼き具合を監視する必要がないからめっちゃラク
おいしいパンであれば、基本的にはおいしく焼きあがるものです(焼き具合をミスしなければ)。じゃぁ、『BALMUDA』は何が違うの? おそらく、パンの旨味を最大限に引き出す「食感」を簡単に作り出せる点ではないかと思います。
中はふんわりあたたかく、表面はおいしい焦げ色のカリカリ仕上げ。この絶妙な食感が、スチームとセンサーによる焼き加減調整によっていとも簡単に再現できるんです。普通のトースターでは目視で注意しながら焼き上げないといけない。これはもう面倒……。
でもそれだけでトースターに2万円以上も投資する価値あるの? あります! ↓こんな人には!
『BALMUDA The Toaster』はどんな人におすすめ?
- おいしいパンを探すのが好きな人
- お気に入りのパンを最高の状態で食べたい人
まさにパン好きのためのトースター。mitok編集部で好んで食べていたペリカンの食パンや金谷ホテルベーカリーのチーズロードが、『BALMUDA』で焼くとこんなにおいしさが持続するなんて……。もうほかのトースターでは焼けない。もったいなくて焼けない!
お試しするには気軽な価格とはいえない『BALMUDA』ですが、パンにこだわりを持っている人なら、きっと満足できるはず。一度試したら、もう手放せなくなると思いますよ!
冷凍したパンもおいしく焼けるように設計されているので、パン食派には実に至れり尽くせりなトースターといえるでしょう。
おまけに焼いてみた
フランスパンモードで焼いたバターロール。左側がBALMUDAで焼いたもので、表面を焦がさず、なのにカリッとふんわり。編集部の安価トースターではすぐ黒く焦がしちゃうのに……。
クロワッサンモードで焼いたクロワッサン。BALMUDAで焼いたときの表面のパリサク具合に驚いた。安価トースターでも同じレベルに焼けるときはあるけど、再現度は微妙。ただ、中への火の通り具合は安価トースターとほとんど変わりませんね。
チーズ工房チカブのハードチーズ『シマフクロウ』をミヤビカフェのデニッシュ食パンにのせ、チーズトーストモードで4分半……うわわっ、最後に一気に表面が加熱され、チーズに焦げ色すらっ。この焼き具合、たまりません〜。