甘さと酸っぱさ、さわやかな香りが特徴の”梅酒“。その飲み口は料理ともよく合うので居酒屋さんでも定番のお酒としておいてありますよね。梅のエキスは昔から健康にもイイということで常日頃から愛飲している方も多いハズ。健康が気になりだした筆者もお店で頼む度合が高くなっています(笑)
そんなスグレモノの梅酒、せっかくならより美味しく飲みたいものです。私もそのあたりは特に知りたいです!
ならば「梅酒のプロに聞きたい!」ということで、スゴイ方にお話しをうかがってきましたよ!
和歌山県に本社がある中野BC株式会社よりいらしていただいた、山本佳昭さんがその人。
梅と言えば和歌山県。収穫量は約7万トンで日本全国の約6割弱を生産しています。その和歌山で梅酒と日本酒をメインに事業展開しているのが同社です。スタンダードな梅酒以外にも女性に人気の「蜂蜜梅酒」や「ゆず梅酒」、変わりものでは「高齢人参梅酒」などラインナップは豊富で、同社Webで紹介しているだけでも36製品あります。
▲中野BC株式会社・梅酒杜氏の山本さんはまさに梅酒のプロ、自称「梅酒オタク」。2007年の梅酒コンテストでは企画製造した「紀州梅酒 紅南高(べになんこう)」が日本一に輝いている
▲梅の一大生産拠点である和歌山県に本社を置く中野BCは、梅酒の製造・販売にも力を入れています
そんな梅酒のプロ・山本さんに早速いろいろと聞いてみました。
自宅でできる「梅酒」の美味しい飲み方
梅酒もいろいろな種類があるのでそれぞれ飲み方は分かれるのですが、やはり梅の甘みや酸味、風味を味わいたいのであれば「ロックが一番」だそうです。また、生姜入りならホットでも美味しくいただけるそうです。スッキリした味を求めるなら、ソーダで割ると甘みが抑えられて酸味が表に顔を出すので、甘いものが苦手な人でも楽しめるようなのでお試しあれ。
▲梅酒本来の美味しさをダイレクトに味わいたい場合はロックが一番!
オススメなのはフレッシュ果汁やジャムなどを少し加えることで、一層風味が増してイイ感じになるそうです。たとえば、レモン汁を少し加える、マーマレードを入れるといったもの。また、柑橘系のピール(皮)などを少し入れてもいいそうです。
▲ひと手間加えると、また一味違う楽しみが増えます。写真はマーマレードを加えたところ
試しにマーマレード入りを飲ましていただきましたが、甘さ、酸っぱさのほかに苦味も加えられたことで、梅の味がキリッと引き立ち深みが出ました。こりゃすげー。それほど手間もかからないのがナイスです!
また、自宅で飲む場合であれば、自分で作るのもオススメだとか。手間はそれなりにかかりますが、その分だけ格別な一杯を楽しめるそうです。
バーや居酒屋で「梅酒」を美味しく愉しめる飲み方とは?
次に飲食店で梅酒を美味しく楽しむ方法をうかがいました。
お店によっては梅酒を何種類も置いてあるところがあって、それぞれを楽しもうとした時は迷ってしまいますよね。そんな時は「色の薄いものから頼む」といいそうです。色が濃いものはそれなりに香りやフレーバーが付けられているので後回しにした方が味の違いを段階的に楽しめるそうです。なるほど。
逆にメニューに「梅酒」としかない場合はそれが「本格梅酒か」を聞いてみるといいそうです。詳細を解説すると、2015年の1月より日本洋酒酒造組合において、うめ、糖類、酒類のみを原料とし、酸味料等を加えていない梅酒を本格梅酒として表示できる自主基準が制定されたそうです。本格梅酒は酸味料や着色料、香料を使用した梅酒に比べてポリフェノールやカリウムが多い傾向を示しているので、せっかく飲むなら本格梅酒の方が体にはよいということですね。ちなみに、ポリフェノールは抗酸化作用により生活習慣病の予防に効き、カリウムは血圧の上昇を抑えてくれるそうです。
「梅酒」に合う料理って?
そのほか気になる点として、どういった料理に合うのかも聞いてみました。
梅酒は食前酒としても提供されているように、和洋中、幅広いジャンルの料理に合うそうです。その中で意外なオススメとして山本さんに教えていただいたのはチーズです。それも、ブルーチーズ! 残念ながら取材時は試すことはできなかったのですが、「騙されたと思って試してみてください!」とのお言葉。筆者も今度ぜひとも試してみようかと思います。
梅酒のフレーバーによっても変わってくるので、どの料理がオススメなのか同社の製品とベストマッチな組み合わせも教えていただいたので参考にしてみてください(下表)。
もう一つ、食後のデザートとしてアイスクリームをいただく人も多いかと思いますが、ここで少しだけとっておいた梅酒をアイスにかけて食べるのもオススメだそうです。もちろん、バニラアイスが最高に美味とのことです。自宅なら原酒のまま少しふりかけてもいいそうですよ。
最後に中野BCで人気の商品、今イチオシの商品も聞いてみたので梅酒選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
中野BC人気梅酒ベスト3
- 蜂蜜梅酒
- ゆず梅酒
- 緑茶梅酒
居酒屋でも人気の商品がズラリと並んでているので手軽に楽しめそうです。「ゆず梅酒」は業務用なのでお店で頼みたい梅酒です。
▲左から「蜂蜜梅酒」「ゆず梅酒」「緑茶梅酒」。筆者も居酒屋で緑茶梅酒をよく頼んでおります
中野BCオススメ梅酒ベスト3
- 紅南高(べになんこう)
- 完熟みかん梅酒
- レモンとジンジャーの梅酒 ゆずとジンジャーの梅酒 ライムとジンジャーの梅酒
紀州南高梅の5%しか採れない、赤く染まった梅を使用した「紅南高」は梅本来の味がストレートに味わえる極上品。「完熟みかん梅酒」は和歌山県のブランドみかん「有田みかん」を使用したもの。ジンジャー梅酒はこれからの寒い季節にもピッタリの商品とのこと。「紅南高」と「完熟みかん梅酒」は業務用なので、置いてあるお店を探しましょう。
▲「紅南高」と「完熟みかん梅酒」。どちらも和歌山県の名産品を使った至高の一本
▲こちらは「てまり」シリーズの180mlサイズの小瓶。左から「赤しそ」、「緑茶」、「蜂蜜」の梅酒。同社の女性チーム「なでしこ」が作った女性向けのブランド
さすが梅酒のプロということで、今回はいろいろとためになるお話をいただけました。中野BCでは梅酒の振興として、本社での梅酒作り教室や工場見学、また各地催事場で期間限定バーを開催するなどしているので、興味ある方はぜひともチェックしてください!
▲居酒屋だけでなく、バーでも梅酒は人気。クエン酸が疲労も回復してくれると思うと明日も頑張れるハズ!