コスパの高さで人気の「コストコ」「業務スーパー」などでは、コーヒー豆も扱われています。……おいしいんですかね? 気になったので、各店のスタンダードなブレンドを集めて飲み比べてみました。コスパが良いだけ……なんてこと、ありませんかね!?
飲み比べたコーヒー豆と検証方法
今回は「コストコ」「業務スーパー」「肉のハナマサ」で販売しているオリジナル系コーヒー豆から、スタンダードなブレンドを集めて飲み比べ、だいたいの味の傾向を5段階評価しました。「総評」は担当者の好みで、やはり5段階評価で付けています(ここはコスパを考慮せず、味だけで決めています)。なお、参考としてスターバックスコーヒーの『ハウスブレンド』も試しています。
ではチェックしていきましょう。
コストコ『カークランドシグネチャー ハウスブレンド』
コーヒー豆の仕様
- 参考価格 1,758円
- 容量 907グラム
- 100グラムあたり価格 約194円
- 焙煎 ミディアムロースト
- 生豆原産国 ペルー
味の傾向
- 苦味 ★★★★★
- コク ★★★★★
- 甘味 ★★☆☆☆
- 香り ★★★☆☆
- 酸味 ★★☆☆☆
- 総評 ★★★★☆(深煎り系好きに)
本家よりも濃厚で苦みが楽しめる
今回のテストで一番楽しみにしていたのがコストコのPBカークランドシグネチャーもの。スタバとコラボして『ハウスブレンド』を名乗っているが、どこまで本家に近づけられているのでしょう?
まず原産国をチェック。生豆生産国はペルーとのことで、本家スタバのハウスブレンドとは異なる。やはり、完全に同じものってわけでは無いようです。しかし袋を開けてみると、確かにハウスブレンドっぽいスパイシーな香りが! これはかなり期待!
実際にドリップしてテイスティングしてみたところ……これは悪くないです! ハウスブレンドの特徴をうまいこと再現。その特徴であるスパイシーな香りを感じました。ただし本家よりも苦み・コクが強く、かなり味が濃いです。今回テストした中では、一番苦くてコクがあると感じたので、それ系が好きな人には特にオススメ。
業務スーパー『ラグジュアリッチ コーヒー』
コーヒー豆の仕様
- 参考価格 397円
- 容量 400グラム
- 100グラムあたり価格 約99円
- 焙煎 シティーロースト
- 生豆原産国 ブラジル・コロンビア
味の傾向
- 苦味 ★★★☆☆
- コク ★★☆☆☆
- 甘味 ★★☆☆☆
- 香り ★★☆☆☆
- 酸味 ★★★☆☆
- 総評 ★★★☆☆(バランスよし!)
これでグラム1円切りは超コスパ
本商品の製造者である珈琲まめ工房は、業務スーパーを運営する神戸物産の関連会社のようです。400グラムで397円と、グラム1円を切る驚異のコスパ。1杯10グラムで淹れた場合、10円を切ってしまうわけですよ! 袋のデザインは業務スーパーらしからぬほどしゃれていて、おいしそうなイメージですね。生豆原産国は、ブラジル&コロンビア。豆をチェックすると、他よりもやや小粒なのが気になりました。ちょっと安めの豆を選んでいるのかもしれませんね。
肝心の味ですが……全然悪くないです! 超濃厚だったコストコに比べるとだいぶマイルドで、飲みやすいコーヒーでした。
今回テストした4種では一番マイルドで、ほのかに酸味を感じる味ですが、他が苦味系なだけでしょう。バランスが取れた、万人受けする味だと思いますよ。突出したところはありませんが、グラム1円以下ならかなりお買い得です。なお、ドリップした際の「豆のふくらみ」が一番強かったのもコレ。たまたまタイミングがよかったのかもしれませんが、かなり鮮度が高そうです。焙煎してすぐ店頭に並べられるように、工夫されているのかもしれません。
肉のハナマサ『プロ仕様 レギュラーコーヒー スペシャルブレンド』
コーヒー豆の仕様
- 参考価格 518円
- 容量 400グラム
- 100グラムあたり価格 129.5円
- 焙煎 中煎りロースト(たぶんミディアム)
- 生豆原産国 ブラジル・ベトナム・インドネシア
味の傾向
- 苦味 ★★☆☆☆
- コク ★☆☆☆☆
- 甘味 ★☆☆☆☆
- 香り ★☆☆☆☆
- 酸味 ★☆☆☆☆
- 総評 ★☆☆☆☆(おすすめしづらいですね~)
香りがちょっと安っぽいかも……
肉のハナマサのスタンダードっぽいブレンドです。業務スーパーには負けますが、かなり手に取りやすいお値段ですね。生豆原産国は、ブラジル、ベトナム、インドネシアとなっています。ベトナムのコーヒー豆は安価なものが多いので、この辺りで調整しているのでしょう。
豆の色を見ると、今回テストした中では一番ローストが浅そうです。それでも、通常のシティローストぐらいはあると思います。マイルドで飲みやすいと言えなくもないのですが……残念ながらあまり香りがよくありません。ロブスタ種らしき泥臭い風味が強いのが気になります。コーヒー好きとしては、「もう一歩がんばってほしい」と感じてしまう味でした。
【参考】スターバックスコーヒー『ハウスブレンド』
コーヒー豆の仕様
- 参考価格 1,134円
- 容量 250グラム
- 100グラムあたりの価格 453.6円
- 焙煎 ミディアムロースト
- 生豆原産国 コロンビア・グアテマラ
味の傾向
- 苦味 ★★★★☆
- コク ★★★★☆
- 甘味 ★★★★☆
- 香り ★★★★☆
- 酸味 ★★★☆☆
- 総評 ★★★★★(深煎り系好きには安定の味)
参考として、スターバックスの本家『ハウスブレンド』もテイスティングしてみました。これはスタバを代表するブレンドのひとつですね。
スタバのブレンドは「コクと切れ味」を重視したクリアなものが多い中、ハウスブレンドだけちょっと異色。コクの中に香りと甘みを感じるコーヒーです(この記事の担当者は、このブレンドがかなり好きです)。
コストコのハウスブレンドも悪くありませんが、やっぱりこちらの方がちょっと上ですね。十分な苦味とコクの奥から、甘味と香りが鼻を抜けていきます。酸味も、コストコよりもちょっとだけ強く感じました。
* * *
1グラム1円未満でこの味! 業務スーパー『ラグジュアリッチ コーヒー』のコスパは驚異的
各スーパーの総評まとめ(100グラムあたりの単価 / 銘柄)
- コストコ ★★★★☆(約194円 / ハウスブレンド)
- 業務スーパー ★★★☆☆(約99円 / ラグジュアリッチ コーヒー)
- 肉のハナマサ ★☆☆☆☆(129.5円 / スペシャル・ブレンド)
- 参考)スタバ ★★★★☆(453.6円 / ハウスブレンド)
今回チェックしたコーヒー豆はいずれもミディアムロースト、中煎りローストなどと書かれていますが、全体的にかなりロースト深めですね。しっかりした基準がないので何とも言えませんが、一番浅めの肉のハナマサ製でシティーローストぐらい。一番深めのコストコ製はフレンチローストに感じました。味も、全体的に酸味控えめでコクが強めですね。スタバなどのシアトル系を意識しているのかもしれません。
その中からコスパと味で選ぶとすると……
業務スーパーで取り扱っている『ラグジュアリッチ コーヒー』はかなりおすすめ! グラム1円以下の業務スーパーの健闘ぶりには驚かされました。常備用にはピッタリでは?
またコストコの『カークランドシグネチャー ハウスブレンド』は、本家とはちょっと違う味ながら、濃厚でイケるコーヒーです。グラム単価ならスタバの半額以下ですから、コスパはかなり高いと思います!