極上食材を豪快に調理する――まさに金に糸目をつけない男子的料理道を突き進んでいる人がいます。
現在、漫画誌「イブニング」で『めしにしましょう』を連載中の漫画家・小林銅蟲先生。作品のネタとして料理しているだけでなく、プライベートでも豪快料理を実践し、その様子をアップしているブログはまさに……飯テロまとめ!
また最近では、テレビ番組「ザ・ノンフィクション 会社と家族にさよなら~ニートの先の幸せ」で特集されたことでも話題となりました。先生、10年近く定職に就かずWebで漫画(ねぎ姉さん)を発表し続けていた過去があるんです。そんな生き様と成長っぷりに、共感・感嘆の声が集まっています。
今回はそんな小林銅蟲先生の極上豪快料理をお届けしたいと思います。食材は先生が偏愛する「牛タン」。巨大な牛タン1本を絶妙な加減で低温調理し、極厚切りで食べる……完璧に旨そうです!!
※本記事は小林銅蟲先生のブログ「パル」から当該エントリーを一部修正して転載したものです。本稿の最後には先生の新刊『寿司 虚空編』の告知もあります!
牛タンを低温調理する
牛タンを解凍します。
牛タンは普通の牛赤身肉と同様の低温調理をすると破滅することが経験上わかっており、普段より温度を高めに設定することにします。肉が固くなると真空パックを突き破ることが予想されるのでジップロック的なものに入れ替えます。
タンの根元は脂っこいので浮いてきます。
グッと63℃にしようとも思いましたが若干日和りました(59.7℃)。
牛タンとミル貝は僕にとって別格の食材で、理由は小学生の頃デパートで見て衝撃を受けたからです。あとすごいうまい。
その間に原稿をやっていると夜になります。
イケアのジップロック的なものは薄くて破れそうであんまり好きくない。
ここまで62.5℃・4時間というところです。※通常は63℃以上を推奨。
汁をとっといてスープの原料にします。水を足して加熱します。
アホほどアクが出ます。
濾してニンニンク、ショウガ、塩、コショウで整えたものです。
なんかぼんやりしてるので『味の素』を入れたら超うまくなって『味の素』すごい。
タンを分解します。タンの下側のびろびろした部分を外します。
タンの下側のサイドを取ります。
牛タンをローストする
ロースターで表面をこうばしくしつつ、全体的に焼き締めていきます。
焼けました。細い側がうまいゾーンで、太い側が超うまゾーンです。
仕上がりは問題なさそうです。うまいゾーンと超うまゾーンを切り分けます。
うまいゾーンの様子です。
とにかくうまいと思われます。
これは超うまゾーンです。完全な状態。
断面が見飽きないので同じものを撮っています。
スーパーうまゾーン(タンの一番根元)です。やけくそな厚切りにします。
びろびろしたやつは少し長めに焼いておきます。
情け容赦なく旨い!
いきなりですが完成です。皆さんは、完成していますか?
下側のサイドです。
びろびろ部分です。
うまいゾーンです。
超うまゾーンです。
いい景色です。
観察をしましょう。
人生とは一本の長いタンのようなものです。
くいましょう。
フムー
フムッフムッ
62.5℃で正解だと思います。たぶん63℃でも平気。この状態だとグニャグニャでもゴリゴリでもなく、ちょうどいいテクスチャでサクサクと噛み切れます。究極なので、昔の人は世界を大きなタンのような形だと考えていました。
一番うまいところです。情け容赦なくうまい。
下側サイドです。失敗すると食えなくなる場所ですがこの感じはオッケーです。
仮面ライダークウガです。味があってうまい。
うまく仕上がったタンは見ているだけで幸せになります。ふざけた色だなーと思いながらまじまじと眺める訳です。
ほんとは薄く切ったほうがたくさん楽しめるし味の乗りも良いです。この切り方については個人的な意地みたいなもんなので真似しなくてもよいと思います。
そしてまた明日がやってきます。よかったですね。
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