極上食材を豪快に調理する――まさに金に糸目をつけない男子的料理道を突き進んでいる人がいます。
現在、漫画誌「イブニング」で『めしにしましょう』を連載中の漫画家・小林銅蟲先生。作品のネタとして料理しているだけでなく、プライベートでも豪快料理を実践しているんです!
最近では、テレビ番組「ザ・ノンフィクション 会社と家族にさよなら〜ニートの先の幸せ」で特集されたことでも話題となりました。先生、10年近く定職に就かずWebで漫画(ねぎ姉さん)を発表し続けていた過去があるんです。そんな生き様と成長っぷりに、共感・感嘆の声が集まっています。
今回はそんな小林銅蟲先生の極上豪快料理をお届けしたいと思います。お題は、『めしにしましょう』第1巻でも扱われた「ウニの絹かけ丼」。ごはんの上に大量のウニ(10人前で、ウニだけで総額3万円分!)と湯葉を乗せ、とろみがついたあんをかけたやり過ぎ丼です。ここではさらに、マグロ大トロを添えていただきます。冒涜的にうまそうですね!
では、小林銅蟲先生による縦横無尽の調理レポート、どうぞ〜。
年に一度はウニ食べましょう。
こんにちは。どうですか? さて、年に一度、上質なウニを大量に食うことにしています。非日常はつまり旅行みたいなものです。
よろしくお願いします。
羅臼漁協のエゾバフンウニ10個です。1個3,000円くらいです。なぜウニなのか? ウニは旨く、あと松浦だるま先生(※1)の好物で、食わせるとバグって楽しいからです。あと日付がついており、進行がくそやばい時に黙って開催したのがばれます(※2)。
※1 編集部注:イブニングで『累 -かさね-』を連載中の漫画家。小林銅蟲先生は松浦だるま先生のチーフアシスタントという顔もあるんです。 ※2 編集部注:つまりそういうことです。
作りましょう。
ウニは絹かけ丼にしますので、めんつゆから作ります。かえしをなんか適当に作ります。この醤油(そば膳)、辛くてうまい。
できた。
これは厚削り節を粉砕しようとしているところです。
粉砕した厚削り節と湯を瓶に入れます。
これを、こう……、
低温調理器の限界温度まで上げてダシを取ります。これは「Nomiku2」という機器で、高温を維持するとバグって勝手に止まるという熱いやつです。皆さんは引き続き「Anova」を購入してください。
1時間くらい加熱すればよいでしょう。濾して、ダシガラは二番だしを取れるので冷まして冷凍します。
かえしとダシを混ぜるとめんつゆ的なものになります。比率は味を見ながら適当にやります。
これを一晩落ち着かせて、会場に持っていきます。
これは鯛の頭部です。
塩をしてから酒で洗い、軽く湯通ししてアクを流し、ウロコを取っています。正しいのかは知りません。
はい。
これは良くなりました。
つぶ貝の刺身です。貝も食べたくなったので。
わさび良くて、満腹になってもわさび単体をちまちまつまむとうまいので便利。
これはマグロでかっこいいから買ってきました。ウニと牛肉が流行っているので、我々はウニとトロを同時に食う素朴なやつを試していきたい。
はい。
入り具合です。
はい。
クジラです。種類は忘れました。
どんどん切る。
クジラ予想以上にうまく、また食いたい気持ちに。
めんつゆを薄めたり葛粉でとろみをつけたりしたものです。例によって一発で決まらなくて量がハチャメチャになってしまった。訓練された人たちはコンロを見ただけで僕の家か松浦だるま先生の家かわかります。不気味ですね。
丼にしましょう。
丼をつくりましょう。
やるぞ~。
めしに生湯葉を敷いてウニを乗せます。
たくさん作ります。
あんをぶっかけていきます。
月刊スピリッツが写り込みまくっていますね。どんな顔をしていいかわかりません。
そして
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そしてまぐろを曖昧に乗せて、今年のぶん完成。
来年まで生きていこうという気持ちになります。
マグロが結構歯ごたえあったので薄切りにしたのは正解。ぬらぬらした大トロだったらもっと良さそう。それはそれとしてうまいのでなんでもいいです。絹かけ丼で検索すると自作している人たちが結構いて、よかったですねという感じです。よかったですね。
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以上、小林銅蟲先生の自由奔放すぎる「ウニの絹かけ丼」調理レポートはいかがでしたでしょうか。めっちゃ食べたいけど、お店で食べたら余裕で1杯1万円を超えるレベル。それくらいの原価がかかってるんです。家人に怒られますね! あと、途中で用意していた鯛とかつぶ貝とかクジラはどうしちゃったんでしょうか!(添え物として食べた模様。豪華すぎる)